「とくい」という漢字は「得意」「特異」がありますが、意味は全く違います。論文・小論文でもよく出てくる言葉なので、きちんと意味と漢字をセットで覚えておきましょう。ここでは、「得意」「特異」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。
「得意」と「特異」の違い
得意(とくい)
意味:上手である。満足・誇らしげである。
「得意」は、他人よりも上手くできる自信があるという意味になります。この場合の対義語は、「不得意」「苦手」になります。また、ほめられて誇らしげになっている様子や望みが叶って満足している様子を意味することもあります。この場合の対義語は、「失意」となります。その他にも、「得意先」などと使い、ひいきにしてくれる客という意味もあります。
特異(とくい)
意味:特別違う。
「特異」は、他と比べて特別違っている、異質なことを言います。
とくい体質は特異が正しい
「とくい体質」はアレルギー体質などのことをいい、他と比べて違っていることを言うので、ここでは「特異」が正解です。
「得意」の例文
例文1:得意の絶頂にあるときほど、足元がすくわれて大きなミスをするものである。
「とくいの絶頂」は誇らしげな絶頂を意味するので、ここでは「得意」を使います。
例文2:私の得意な料理はミートパスタです。
「とくいな料理」は上手な料理ということなので、ここでは「得意」を使います。
「特異」の例文
例文1:彼の研究はほかの研究者とは全く違ったアプローチの特異なものだった。
「全く違ったアプローチのとくいなものだった」は全く違ったアプローチの他と違うところがあったということなので、ここでは「特異」を使います。
例文2:彼には特異な才能があり、数字を見ただけですぐ合計の数を出すことができる。
「とくいな才能」は他と違う才能があるということなので、ここでは「特異」を使います。
論文・小論文で「得意」と「特異」を使い分ける視点
「得意」「特異」は同音異義語ですが、意味は全く違います。「得意」は上手・誇らしいという意味ですが、「特異」は他と違うという意味です。論文・小論文ではきちんと漢字を把握した上で、意味の使い分けをしておきましょう。