様子をうかがう 「伺う」「覗う」「窺う」のどれが正しい?

「うかがう」の漢字は何かと迷いやすいですよね。論文・小論文では、しっかりと区別して使えるようにしておきましょう。ここでは、「伺う」「覗う」「窺う」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。

「伺う」「覗う」「窺う」の違い

伺う(うかがう)
意味:「たずねる」(聞く・尋ねる・行く)の謙譲語の意味を表します。
聞く・尋ねる・行くの謙譲語を表します。常用漢字としてよく使われます。
覗う(うかがう)
意味:何かを通して様子を見るという意味を表します。
何か望遠鏡や穴などを通してみるという意味になりますが、実際はあまり使われず、「覗き穴(のぞきあな)」のように「のぞく」と読むほうが圧倒的に多くなります。覗うは常用外漢字になり、ひらがなで書くことが一般的です。掲載していない国語辞典もあります。
窺う(うかがう)
意味:こっそり様子を見るという意味を表します。
こっそり様子を見るという意味ですが、「恋人の顔色を窺う」などの「察する」、「チャンスを窺う」などの「好機のタイミングを待つ」というニュアンスもあります。「覗う」とほぼ同じ意味で使われるところから、「窺う」を代わりに使うこともあります。「窺う」は常用外漢字となります。

様子をうかがうは「窺う」or「伺う」が正しい

「様子をうかがう」はこっそりと相手の様子を見ることなので、「窺う」が正しくなります。また、「覗う」も同じ意味なので、こちらを使ってもかまいません。

「伺う」の例文

例文1 お噂はかねがね伺っております。

この「伺う」は「聞く」という意味の謙譲語で使われています。

例文2 この件についてご意見をお伺いしてもよろしいでしょうか?

この「伺う」は「尋ねる」という意味の謙譲語で使われています。

例文3 明日はこちらから伺います。

この「伺う」は「訪れる」という意味の謙譲語で使われています。

「覗う」の例文

例文1:小さな穴から隣の様子を覗う。

穴を通してのぞくという意味になるので「覗う」を使います。

例文2:オペラグラスを通して役者の表情などを覗い知る。

オペラグラスを通してのぞくという意味になるので「覗う」を使います。

「窺う」の例文

例文1:外から家の様子を窺ってみたところ、不在のようだった。

外からこっそり様子を見るという意味なので、「窺う」を使います。

例文2:彼の堂々とした表情から自信のほどが窺い知れた。

「窺い知る」は様子を「察する」「探る」という意味なので、「窺う」を使います。

論文・小論文で「伺う」・「覗う」・「窺う」を使い分ける視点

「伺う」は聞く・尋ねる・行くの謙譲語です。「こっそり様子を見る」という意味の「うかがう」は「窺う」「覗う」の2種類がありますが、「覗う」はほとんど使うことがないので、論文・小論文では、特に区別せず「窺う」を使うと便利です。ちなみに、「様子をうかがう」は「伺う」の漢字を使えば、「様子を尋ねる」、「窺う」の漢字を使えば、「こっそりと相手の様子を見る」というかなりニュアンスの違う意味になります。区別して使うようといいでしょう。

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