品質をついきゅうする 「追求」「追及」「追究」正しい漢字はどれ?

「ついきゅう」という漢字は「追求」「追及」「追究」の3つがありますが、それぞれの意味は違います。論文・小論文で「ついきゅう」が出ることが多くあるため、それぞれの違いを理解して上手に文章に使えるようにしていきましょう。ここでは「追求」「追及」「追究」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。

「追求」「追及」「追究」の違い

「追求(ついきゅう)
意味:(得ようと)追い求める。
「追求」は理想、利益、快楽などをポジティブなことを追い求めるときに使います。目的とするものを手に入れるためねばり強くどこまでも追い求めるニュアンスがあります。
追及(ついきゅう)
意味:(人・責任を)追い詰める。
責任・欠点・原因・悪事、犯人などネガティブなことを追い詰めるときに使います。くいさがりどこまでも追い詰めるニュアンスがあります。
追究(ついきゅう)
意味:明らかにしようとする。
真理、学問上の答えなど真面目なことを明らかにしようとするときに使います。主にその実体や事実などの不確かなことや不明なことをどこまでも探究するニュアンスがあります。

品質をついきゅうするは追求が正しい

「品質をついきゅうする」は品質の(良さ)をポジティブに追い求めることなので、ここでは「追求」が正解です。

「追求」の例文

例文1:幸福を追求したいと思うのは、人間として当たり前のことだ。

「幸福をついきゅうしたい」は幸福というポジティブなことを追い求めたいということなので、ここでは「追求」を使います。「幸福の追究」ということになれば、学問的に幸福とは何かと明らかにしようとするということになるので、ここでは使えません。

例文2:利益や効率ばかり追求していては、本当の楽しさは得られない。

「利益や効率のついきゅう」は利益や効率などポジティブなことを追い求めることなので、ここでは「追求」を使います。

「追及」の例文

例文1:事故が起きた時には最初に責任の所在を追及しなくてはならない。

「責任の所在をついきゅうする」は責任の所在などネガティブなことを問い詰めることなので、ここでは「追及」を使います。

例文2:犯人に余罪がないかさらに追及する。

「余罪をついきゅうする」は余罪がないかを問い詰めることなので、ここでは「追及」を使います。

「追究」の例文

例文1:原因の追究は今度の事故を未然に防ぐためにも必要なことだ。

「原因のついきゅう」は原因を明らかにしようとすることなので、ここでは「追究」を使います。「原因の追及」とすると、原因を知るため相手を追い詰めるというニュアンスになるため、ここでは使えません。

例文2:言葉について追究していくうちに日本語の難しさを新ためて感じた。

「言葉についてついきゅうする」は言葉について学問上明らかにしようとするということなので、ここでは「追究」を使います。

論文・小論文で「追求」「追及」「追究」を使い分ける視点

「ついきゅう」は「追求」「追及」「追究」の3つがありますが、それぞれ使い方に区別があります。「追求」はポジティブなこと追い求める、「追及」はネガティブなことを問い詰める、「追究」は明らかにすることと覚えておきましょう。論文・小論文ではよく使われる漢字なので、正しく使って得点に結びつくようにしていきましょう。