気をつかう 「使う」「遣う」のどっちが正しい?

「つかう」は「使う」も「遣う」も「利用する」という意味合いのある漢字となりますが、それぞれ細かい点では違いがあります。論文・小論文では、それぞれの違いに注目しながら使い分けていくようにしましょう。ここでは、「使う」「遣う」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。

「使う」と「遣う」の違い

使う(つかう)
意味:自分のために、周りの物や人を利用すること。
「頭を使う」などの頭を働かせる、「奥の手を使う」などの技や技術を用いる、「時間を使う」などの消費するというニュアンスもあります。
遣う(つかう)
意味:相手のために、自分の持っているものを差し出すこと。送り出すこと。
転じて「気を遣う」など精神を煩わせること、「人形を遣う」などの操ること、「金遣い」などお金を消費することにも使います。こちらの「遣う」は限定的な使い方しかできず、「人遣い」「筆遣い」「上目遣い」「言葉遣い」などと名詞の形にして使うことがほとんどです。動詞でつかうときは「使う」で代用することもできます。

気をつかうは「使う」も「遣う」も正しい

「気をつかう」は「気を遣う」も「気を使う」も両方とも正解です。「気遣い」と名詞にすれば「遣う」を使いますが、動詞の場合は、精神を煩わせるという意味で「遣う」を使いますが、動詞なので「使う」を使っても間違いではありません。

「使う」の例文

例文1:扇子や団扇は紙を使って作っている。

「紙をつかう」は「利用する」という意味なので「使う」をつかいます。

例文2:お金の使い道を考える。

「つかい道」は「利用する方法」ということなので、ここでの「つかう」は「使う」になります。

「遣う」の例文

例文1:年老いた両親を気遣い、バリアフリーの家を建築した。

「気づかい」と名詞で使っているため、ここでは「遣う」となります。

例文2:金遣いが荒いので、いつも月末にはお金が足りなくなる。

「金遣い」と名詞で使っているため、ここでは「遣う」をつかいます。

論文・小論文で「使う」と「遣う」を使い分ける視点

「使う」と「遣う」はおもに動詞で使う場合には「使う」、「〇〇遣い」と名詞で使う場合には「遣う」をつかうと意識しておきましょう。「〇〇遣い」と名詞で使う場合以外は「使う」をつかうことができるので、論文・小論文では名詞以外はなるべく「使う」にするといいでしょう。