「開く」や「空く」は論文・小論文では頻出の漢字です。同音異義語なので、音は同じですが漢字の意味が違うため、誤用に気を付けて使うようにしましょう。ここでは、「開く」「空く」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。
「開く」と「空く」の違い
開く(あく)
意味:ひらくこと。
「開く」はおおいなどが取り除かれたり、閉まっていたものがひらいたりすることです。店などのオープンも「開く」が使われます。また、「差が開く」などへだたりができることも意味します。
空く(あく)
意味:からになること。
「空く」は「缶が空く」などからになることをいいます。そのほかに、「部屋が空く」など「今までそこを占めていたものがなくなったり除かれたりすること」、「行間が空く」など「間隔が広がること」、「体が空く」など「暇になる」などにも使います。
席があくは空くが正しい
「席があく」は今まで占めていた人がいなくなったということで、ここでは「空く」を使います。
「開く」の例文
例文1:クラス対抗リレーで1組と2組の差は1周分も開いた。
「差が開く」はへだたりが広がることなので「開く」を使います。
例文2:幕が開いたらおとぎ話の始まりです。
「幕があく」はおおっていた幕が取り除かれ、閉まっていた幕がひらくことなので、ここでは「開く」を使います。
「空く」の例文
例文1:昨日の歓迎会は盛り上がってしまって、一人でビールの瓶を10本も空けてしまった。
「瓶を空ける」はビールを10本分飲んだ、からにしたということなので、ここでは「空く」を使います。
例文2:手が空いたら営業部を手伝ってください。
「手があく」は仕事などが終わって暇になるということなので、ここでは「空く」を使います。
論文・小論文で「開く」と「空く」を使い分ける視点
「あく」は「開く」「空く」など同じ読みの漢字がありますが、それぞれ意味が違うため、論文・小論文では使い方を間違えると、意図しない方向に誤解されてしまいます。しっかりと違いを理解した上で正しく書けるよう気を付けましょう。