罰金を表す「かりょう」は「過料」「科料」の2つの漢字があります。それぞれの意味は少し違うので、論文・小論文ではその違いを理解した上で使えるようにしましょう。ここでは、「過料」「科料」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。
「過料」と「科料」の違い
過料(かりょう)
意味:行政上の義務違反に対して科される金銭的な負担のこと。
ペナルティーを科すことで、社会の秩序を守るという目的で「過料」は存在します。刑事罰ではないため、前科などはつきません。
科料(かりょう)
意味:軽微な刑事罰に対して科される金銭的な負担のこと。
「科料」は比較的軽微な犯罪に対して科される金銭罰を意味し、刑罰の一種として定められています。そのため、犯罪行為として前科がつきます。
「営業時間短縮の命令に従わなかったらかりょうが科せられる」は過料が正しい
「営業時間短縮の命令に従わなかったらかりょうが科せられる」は行政罰を指すので、ここでは「過料」が正解です。
「過料」の例文
例文1:路上喫煙禁止の区域内で喫煙行為をしてしまったため過料処分の対象となってしまった。
市の条例などで喫煙禁止エリアを設けて行政罰の対象とする場合が増えています。金銭徴収が罰則となる場合は「過料」が妥当です。
例文2:過料を科すことによってマナー違反者を大幅に減らす効果が得られた。
過料を科すことは行動の抑制を促す効果を発揮します。
「科料」の例文
例文1:刑法第17条で科料は千円以上一万円未満とするとされている。
刑法などで出てくるのが「科料」です。刑法第17条には科料に関して定めた規定が書かれています。
例文2:科料が支払えない場合は労役場で労務につくことになります。
刑法第18条では科料が支払えない場合のことが書かれています。
論文・小論文で「過料」と「科料」を使い分ける視点
非常事態宣言などを受けて、営業時間短縮の命令に従わなかったら過料が科せられるといったことも出てきました。「過料」と「科料」の違いを把握して、論文・小論文ではシーンに合わせて正しい漢字を書けるようにしましょう。