留まるという意味の「いりゅう」ですが、「遺留」「慰留」があります。それぞれの意味は細かい点で異なります。論文・小論文では正しく使えるようにしていきましょう。ここでは「遺留」「慰留」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。
「遺留」と「慰留」の違い
遺留(いりゅう)
意味:置き忘れる・死後に残す。
「遺留」は所持品などを置き忘れることを言います。また、死後に残すことを指すこともあります。
慰留(いりゅう)
意味:退こうとする人をなだめて思い留まらせる。
「慰留」は退職する際会社に引き留める時によく使われます。対義語は「勧告」になります。
退職願いをいりゅうされたは慰留が正しい
「退職願いをいりゅうされた」は退こうとする人をなだめて思い留まらせることを言うので、ここでは「慰留」が正解です。
「遺留」の例文
例文1:犯行現場にあった遺留品が事件を解く大きな手がかりとなった。
「犯行現場にあった遺留品」は犯行現場に置き忘れた品なので、ここでは「遺留」を使います。
例文2:故人の遺留品を整理する。
「故人の遺留品」は死後に残した品なので、ここでは「遺留」を使います。
「慰留」の例文
例文1:彼は退職するつもりだが、優秀なのできっと慰留されるだろう。
「きっといりゅうされる」は退こうとする人をなだめて思い留まらせることを言うので、ここでは「慰留」を使います。
例文2:待遇が不満で退職届を出したが、部長から慰留交渉されて、一気に待遇が改善された。
「いりゅう交渉」は退こうとする人をなだめて思い留まらせる交渉を言うので、ここでは「慰留」を使います。
論文・小論文で「遺留」と「慰留」を使い分ける視点
留まるを意味する「いちゅう」は「遺留」「慰留」がありますが、それぞれの意味は異なります。「遺留」は置き忘れる・死後に残す、「慰留」は退職する人をなだめて思い留まらせることを言います。論文・小論文では、それぞれの意味を理解した上で文中で使えるようにしていきましょう。