「いしゅ」は「異種」「意趣」「遺珠」がありますが、それぞれの意味は異なります。論文・小論文ではそれぞれの違いに気を付けて使えるようにしていきましょう。ここでは「異種」「意趣」「遺珠」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。
「異種」「意趣」「遺珠」の違い
異種(いしゅ)
意味:違った種類。
意趣(いしゅ)
意味:人を恨む気持ち。
「意趣」は恨みを含むニュアンスがあり、そこから遺恨を意味します。また、意向・意地・理由などの意味もあります。
遺珠(いしゅ)
意味:拾われないままで残っている玉。
「遺珠」は転じて、世間から忘れられている人物や人に知られていない詩文の傑作を表すこともあります。
いしゅ返しは意趣が正しい
「いしゅ返し」は仕返しを意味するので、ここでは「意趣」が正解です。
「異種」の例文
例文1:異種間交流をして様々な知識を自分の中に取り入れる。
「いしゅ間交流」は違った職業の交流ということなので、ここでは「異種」を使います。
例文2:異種なものを混ぜ合わせることで思ってもいなかった化学反応が見られる。
「いしゅなもの」は違った種類のものということなので、ここでは「異種」を使います。
「意趣」の例文
例文1:彼は学生時代詐欺に騙された意趣を晴らそうと必死に法律を勉強して弁護士になった。
「いしゅを晴らす」は恨みを晴らすことなので、ここでは「意趣」を使います。
例文2:騙された意趣返しに今度は私が相手を騙した。
「いしゅ返し」は仕返しのことなので、ここでは「意趣」を使います。
「遺珠」の例文
例文1:そのスカウトマンは、滄海遺珠を探すために日本中を回っているという。
「滄海いしゅ」は世に埋もれた優秀な人材のたとえのため、ここでは「遺珠」を使います。
例文2:著名な作家の家では彼の亡き後滄海遺珠の作品があちらこちらで見つかった。
「滄海いしゅ」は人に知られていない詩文の傑作を言うため、ここでは「遺珠」を使います。
論文・小論文で「異種」「意趣」「遺珠」を使い分ける視点
「異種」は異なった種類、「意趣」は人を恨む気持ち、「遺珠」は世間から忘れられている人や作品を指します。論文・小論文で使うときにはそれぞれの意味を理解した上できちんと使えるようにしていきましょう。