「いっけん」は「一見」「一件」がありますが、それぞれ意味は違い、使われるシーンも違います。論文・小論文では、それぞれの意味に気をつけて使えるようにしておきましょう。ここでは「一見」「一件」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます
「一見」と「一件」の違い
一見(いっけん)
意味:一度見ること。
「一見」は一度見ることやひととおり見ること以外にも、ちらっと見ること、ちょっと見たところ、初対面などを意味します。
一件(いっけん)
意味:一つの事柄。ある一つの事件。
「一件」はその他にも「あのこと」「例のこと」のように物事を遠回しにいう時にも使います。
百聞はいっけんにしかずは一見が正しい
「百聞はいっけんにしかず」は人から何度も聞くより、一度実際に自分の目で見るほうが確かでありよくわかるという意味なので、ここでは「一見」が正解です。
「一見」の例文
例文1:彼の血だらけの服装を見て一見して事の重大さを悟った。
「いっけんして」はちらっと見たところという意味なので、ここでは「一見」を使います。
例文2:一見大人しそうな人に見えたが、話してみるととても社交的な人だった。
「いっけん大人しそうに見える」はちょっと見たところという意味なので、ここでは「一見」を使います。
「一件」の例文
例文1:友達が仲裁に入ったので、この事件は一件落着だ。
「いっけん落着」は一つの事柄が解決したことなので、ここでは「一件」を使います。
例文2:この一件はしばらく棚上げにしておこう。
「このいっけん」はあのことと物事を遠回しに言ってるので、ここでは「一件」を使います。
論文・小論文で「一見」と「一件」使い分ける視点
「いっけん」は「一見」「一件」と2つの漢字がありますが、それぞれで意味が違います。「一見」は一通り見たところ、「一件」は一つの事件ということです。論文・小論文では漢字に気をつけて文中でもきちんと使えるようにしましょう。