演技や演奏に関わる「きょうえん」という漢字は「共演」「協演」「競演」があります。それぞれ使うシーンが違うので、論文・小論文では適切な場所で使えるようにしていきましょう。ここでは「共演」「協演」「競演」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。
「共演」「協演」「競演」の違い
「共演(きょうえん)
意味:一緒に出演すること。
「共演」は同じ舞台やドラマなどに一緒に出演することを意味します。複数のスターが同時に出演したり、人気歌手と人気演奏者が一緒に演奏をしたりすることなどを言います。その場合、共演するメンバーはともに知名度が高くなくてはならず、知名度が高いスターと無名のスターでは共演は使えません。
協演(きょうえん)
意味:協力して演奏・出演する。
「協演」は、異なったジャンルの者同士が協力して演奏または出演することを意味します。一緒にパフォーマンスをするというニュアンスを含みます。主に音楽演奏で多く使われます。
競演(きょうえん)
意味:同じ劇や役、楽器などで演技や演奏を競う。
「競演」は二人以上の俳優などが同じ舞台や映画のなかで同じ役柄・演目などを競い合い演技の優劣を競うこと、映画や演劇の芝居あるいはコンサートなどでの楽器演奏や歌唱の技量、魅力といったものを競い合うことを意味します。また、同じような時期に別々の劇場で、同じもしくは類似の作品を上演して、その人気を競うことを意味することもあります。一種の緊張関係を作り、一連の作品やステージを盛り上げるのが狙いで、競争意識を煽るニュアンスを含みます。
人気アーチストの夢のきょうえんは「共演」「競演」が正しい
「人気アーチストの夢のきょうえん」は人気アーチストと一緒に出演すること、または競うことを意味するので、ここでは「共演」または「競演」が正解です。
「共演」の例文
例文1:この春は豪華共演陣によるドラマが目白押しなのでとても楽しみだ。
「豪華きょうえん陣」は一緒に出演する人たちが豪華だということなので、ここでは「共演」を使います。
例文2:このお芝居は新旧のスターが共演しているので、年配の人だけでなく、若い人にも人気がある。
「スターのきょうえん」はスターが一緒に出演することなので、ここでは「共演」を使います。
「協演」の例文
例文1:今回のコンサートは有名ミュージシャンとの協演が実現したらしい。
「有名ミュージシャンとのきょうえん」は有名ミュージシャンと協力して演奏することなので、ここでは「競演」を使います。
例文2:ミュージシャンのA氏とバイオリニストB氏はすでに何度も協演した関係で、プライベートでもとても仲がいい。
「すでに何度もきょうえんした関係」はすでに何度も協力して演奏した関係のことなので、ここでは「競演」を使います。
「競演」の例文
例文1:この演目は同時期に別地域で数名の大スターが競演したことで話題をさらった。
「同時期に別地域できょうえん」は同時期に別地域で競い合うことを意味するので、ここでは「競演」を使います。
例文2:この演目は主人公が日替わりで競演したので、まったく違う演目のように感じられて面白かった。
「日替わりできょうえん」は日替わりで競い合うことを意味するので、ここでは「競演」を使います。
論文・小論文で「共演」「協演」「競演」を使い分ける視点
演技や演奏に関する「きょうえん」は「共演」「協演」「競演」の漢字があります。ですが、それぞれの意味は細かく異なり、「共演」は共にする、「協演」は協力する、「競演」は競うと区別できます。論文・小論文ではそれぞれの漢字に注目して覚えておくようにしましょう。