「つつしむ」は「慎む」「謹む」の2つの漢字がありますが、それぞれ意味は全く違います。論文・小論文では正しい意味を覚えて、しっかり文章で使えるようにしていきましょう。ここでは、「慎む」「謹む」それぞれの意味の違いや例文について解説していきます。
「慎む」と「謹む」の違い
慎む(つつしむ)
意味:抑制すること。
「慎む」は出過ぎたり失敗したりしないため、自分の言動を抑えることを意味します。自分の行動だけでなく、相手の行動を指すこともできます。
謹む(つつしむ)
意味:かしこまること。
相手を尊重するための言葉で、かしこまった態度をとることを言います。「謹んで」という形で用いて、お祝い・お悔やみ・お詫び・参加を申し込むなどの際に、相手に対して敬意や感謝の気持ちを表します。
口をつつしむは慎むが正しい
「口をつつしむ」は自分の言動を抑えることなので、ここでは「慎む」が正解です。
「慎む」の例文
例文1:授業中はほかの人の迷惑になるので、私語を慎むように。
「私語をつつしむ」は私語を抑制するということなので、ここでは「慎む」を使います。
例文2:健康のために、偏食を慎んで旬のものをきちんと食べるようにしています。
「偏食をつつしむ」は偏食を抑制するということなので、ここでは「慎む」を使います。
「謹む」の例文
例文1:ご結婚おめでとうございます。謹んでお祝いの言葉を申し述べさせていただきます。
「つつしんでお祝いの言葉を申し述べさせていただきます」は相手に対する敬意を表しているので、ここでは「謹む」を使います。「申し上げる」は謙譲語なので、それだけで相手を敬っていることになるのですが、「謹んで」という言葉を加えることによってより一層の謙譲の念を表します。
例文2:御多忙中誠に恐縮ですが、ご出席賜りますよう謹んでお願い申し上げます。
「つつしんでお願い申し上げます」は相手に対する敬意を表しているので、ここでは「謹む」を使います。
論文・小論文で「慎む」と「謹む」を使い分ける視点
「つつしむ」は「慎む」「謹む」がありますが、「慎む」は抑制すること、「謹む」はかしこまることと区別して理解しておきましょう。論文・小論文では「謹む」を使う機会はほとんどありません。