「きてん」には「機転」「気転」がありますが、それぞれの使い方には違いがあり、間違えると意味が変わってしまいます。そこで、論文・小論文できちんと使えるように勉強していきましょう。ここでは、「機転」「気転」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。
「機転」と「気転」の違い
機転(きてん)
意味:周囲をあっと言わせてその場を切り抜けること。
「機転」は非常に発想力があることを意味するので、ほめ言葉として使われます。ビジネスの場で使われる時は、仕事をこなす能力があるという意味になります。
気転(きてん)
意味:人に対して親切にしてその場に良い流れを作ること。
「気転」はその場の雰囲気や人の気持ちを察して、最も良い対応ができる心配りのことで、自らの意志で行動する気持ちを表します。
きてんが利くは「機転」「気転」どちらも正しい
「きてんが利く」は周囲をあっと言わせてその場を切り抜ける場合は、「機転」が正解で、人に対して親切にしてその場に良い流れを作る場合は「機転」が正解です。
「機転」の例文
例文1:突然トラブルに見舞われたが、とっさに機転を利かせてプログラムを変更して事なきを得た。
「とっさに機転を利かせた」はとっさに周囲をあっと言わせてその場を切り抜けることなので、ここでは「機転」を使います。
例文2:劇の主役が遅刻したが、彼が機転を利かせてアドリブで繋いで成功した。
「機転を利かせる」は周囲をあっと言わせてその場を切り抜ける能力があるということなので、ここでは「機転」を使います。
「気転」の例文
例文1:2人連れが電車に乗ってきたので、彼はすぐ気転を利かせて別の席に座った。
「きてんを利かせて別の席に座った」は人に対して親切にしてその場に良い流れを作るよう別の席に座ったことなので、ここでは「気転」を使います。
例文2: どんな人にでも、気転を利かせて優しく話しかけられる人は素敵だと思う。
「きてんを利かせて優しく話しかける」は人に対して親切にしてその場に良い流れを作り優しく話しかけることなので、ここでは「気転」を使います。
論文・小論文で「機転」と「気転」を使い分ける視点
「きてん」は同音異義語ですが、「機転」は周囲をあっと言わせてその場を切り抜けること、「気転」は人に対して親切にしてその場に良い流れを作ることという違いがあります。論文・小論文ではきちんと使い分けて文中で使えるようにしておきましょう。