栄養をとる 「取る」「採る」「捕る」「摂る」のどれが正しい?

「とる」という漢字はたくさんあって、どんな時に何を使ったらいいのか迷ってしまいます。それぞれの漢字の特徴を意識しながら整理しておきましょう。ここでは、「取る」「採る」「捕る」「摂る」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。

「取る」「採る」「捕る」「摂る」の違い

取る(とる)
意味:手に持つこと。とり除くこと。
「取る」は多義語なので「取材」「取得」「奪取」など様々な意味で広く使われます。その中でも基本的なものとして「手に取る」など手につかんで持ったり、操作したりすること、「汚れを取る」など取り除くことという意味があります。そのほかにも「ホテルを取る」など場所を占めることや「寸法を取る」など数量を推し量るというニュアンスもあります。
採る(とる)
意味:採取、採用、採集すること。
「採る」は手の先で摘みとることやある部分だけを選びとることを指す言葉ですが、何らかのすぐれているものや人を選びだすというニュアンスがあり、「蜜を採る」など採取、「社員を採る」など採用、「野草を採る」など採集の意味に使います。意味はこの3種類に限ります。
捕る(とる)
意味:つかまえて離さないこと。
「捕る」は「捕獲」のように、虫や魚などの動物をつかまえるときや、「捕球」のように、ボールをキャッチするときに使われます。植物はつかまえるとはいわないため、「捕る」ではなく「採る」を使います。
摂る(とる)
意味:栄養を体にとりいれること。
「摂る」は「摂取」というように、食物や栄養などを体内にとりこむことを意味します。常用外漢字なので、「取る」で代用することもあります。

栄養をとるは摂るが正しい

「栄養をとる」は摂取を意味するので「摂る」を使います。ただ「摂る」は常用外漢字なので「取る」と表現してもいいですよ。

「取る」の例文

例文1:是非手に取ってよく観察してください。

「手にとる」は手に持つということなので「取る」を使います。

例文2:洗濯したら汚れは綺麗に取れました。

「汚れがとれる」は取り除くということなので「取る」を使います。

「採る」の例文

例文1:大きくなった木の実だけを採って籠に入れる。

「大きくなった木の実をとる」は大きくなったものだけを採取するということなので「採る」を使います。

例文2:人手が足りなくなってきたので新卒を採ることを決めた。

「新卒をとる」は採用するということなので「採る」を使います。

「捕る」の例文

例文1:猫が生け捕ったネズミをくわえて戻ってきた。

「生けどる」は、生きたまま捕まえるということなので「捕る」を使います。

例文2:ゴロをうまく捕ってチームに貢献した。

「ゴロをとる」は、野球のゴロのボールをとるということなので「捕る」を使います。

「摂る」の例文

例文1:しっかり栄養を摂らないと病気が治らない。

「栄養をとる」ということで、摂取を意味する「摂る」を使います。

例文2:体重を増やしたかったらカロリーを摂るべき。

「カロリーをとる」ということで、食べて体に取り入れるところから摂取を意味する「摂る」を使います。

論文・小論文で「取る」「採る」「捕る」「摂る」を使い分ける視点

「採る」は採用・採取・採集、「捕る」は捕捉・捕球、「摂る」は摂取、「取る」はそれ以外の広い意味で使われます。論文・小論文では、頻出する漢字でもあるため、それぞれの特徴に注目して覚えておくようにしましょう。

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