「たいひ」には「退避」「待避」の2つがありますが、それぞれの意味は少し違いがあります。論文・小論文では違いに気を付けて書くようにしましょう。ここでは「退避」「待避」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。
「退避」と「待避」の違い
退避(たいひ)
意味:安全な場所に移動して危険を避けること。
「退避」は、今いる場所から一時的に離れ、安全な場所に移動して危険を避けることを言います。
待避(たいひ)
意味:脇に避けて危険が過ぎるのを待つこと。
「待避」は災害などから身を守るために、危険な場所をよけて、危険が通り過ぎるまで待機することを言います。
災害に備えてたいひ経路を確認するは退避が正しい
「災害に備えてたいひ経路を確認する」は安全な場所に移動して危険を避けることなので、ここでは「退避」が正解です。
「退避」の例文
例文1:津波が来るというので、急いで高台まで退避した。
「高台までたいひした」は高台という安全な場所に移動して危険を避けることなので、ここでは「退避」を使います。
例文2:原子力防災において、退避は指定された建物の中に入ることを意味します。
「たいひは指定された建物の中に入ること」は指定された建物という安全な場所に移動して危険を避けることなので、ここでは「退避」を使います。
「待避」の例文
例文1:火事の見物をしていたら、火の粉が飛んできたので後ろに下がって待避した。
「後ろに下がってたいひした」は後ろに下がって危険が過ぎるのを待つことなので、ここでは「待避」を使います。
例文2:大型台風の接近に備え、いくつかの船舶は湾の外に待避させた。
「湾の外にたいひさせた」は危険が過ぎるまで湾の外に待たせたことなので、ここでは「待避」を使います。
論文・小論文で「退避」と「待避」を使い分ける視点
同じような意味の「たいひ」ですが、「退避」は安全な場所に移動すること、「待避」は脇に避けて待つことを意味します。論文・小論文ではそれぞれの違いに気をつけてきちんと使い分けられるようにしましょう。