二人の仲をさく 「割く」「裂く」のどっちが正しい?

「割く」「裂く」は似たような意味のため、間違いやすい漢字も1つでもあります。2つとも「分ける」ことを意味しますが、その様子はそれぞれ違っているので、その点に注目して書き分けましょう。ここでは、「割く」「裂く」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。

「割く」と「裂く」の違い

割く(さく)
意味:刃物などを用いてていねいに切り分けること。予定などを割り当てること。
「割く」は、もともと分割ができるものを必要に応じて分ける場合や、刃物を使ってていねいに切り分けるなどのニュアンスがあります。「分割」「割り振る」といったイメージです。
裂く(さく)
意味:力任せに無理やり引き離すこと。
もともと分割できないものなどを無理やり力任せに引き離して分けた場合は「裂く」を使います。「破る」というニュアンスもあります。「決裂」「分裂」といったイメージです。

二人の仲をさくは「裂く」が正しい

「二人の仲をさく」は仲のいい二人の関係を無理やり第三者が分けることなので「裂く」を使います。

「割く」の例文

例文1:苦手な英語より得意な国語に時間を割いて勉強をしたので、国語はクラスでトップとなった。

「時間をさく」とは、予定していたものである一部を、都合して他の用に充てることなので「割く」を使います。

例文2:うまく人手を割いたので、イベントは滞りなく進行できた。

「人手をさく」は人を割り当てるという意味なので、ここでは「割く」を使います。

「裂く」の例文

例文1:2人の仲は引き裂かれる運命だった。

「仲を引きさく」は、関係にある者同士を無理に離すことなので「裂く」を使います。

例文2:お気に入りのスカートだったのに、不注意で突起物に引っかけてしまい裂けてしまった。

「スカートがさける」の「さける」は破るというニュアンスがあるのでここでは「裂く」を使います。

論文・小論文で「割く」と「裂く」を使い分ける視点

「さく」は「割く」が丁寧に切り分ける、「裂く」が無理やり引き離すと覚えておくといいでしょう。「肉をさく」も、「割く」を使えば包丁できちんと切り分けたイメージになり、「裂く」を使えば無理やり引きちぎったイメージになります。何を表現したいのかをしっかりと把握して使い間違えることがないように気をつけましょう。

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