不法とうき 「投機」「投棄」のどっちが正しい?

「とうき」という読みの漢字は複数あります。ですが、それぞれの意味は違いがあり、それほどわかりにくいことはないため、よく覚えてしっかりと使えるようにしておきましょう。ここでは「投機」「投棄」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。

投機(とうき)
意味:偶然の利益を得ようと狙ってする行為
投機は不確実ではあるものの、当たれば大きな利益を得られるというときに、そのような偶然の利益を狙ってする行為を意味します。株取引や先物取引などでもよく使われる言葉で、将来の価格の変動を予想して、現在の価格との差額を得ることを目的とする取引や相場のことを言います。もともとは禅の仏教用語でもあったことから、師弟の心が投合することにも使います。
投棄(とうき)
意味不要な物を投げ捨てること。
投棄は「棄てる」という漢字が含まれているように、物を棄てる行為を示します。

不法とうきは投棄が正しい

不法とうきは法令に違反した処分方法で廃棄物を棄てることを言います。そのため、ここでは捨てる意味の「投棄」を使います。

「投機」の例文

例文1:ヘッジファンドが株の投機で大儲けを企んでいるようだ。

「株のとうき」ということで、株で利益を得ようと狙おうとする行為なので「投機」を使います。

例文2:仮想通貨は投資ではなく投機だという意見もある。

「投資ではなくとうき」ということですが、投資の「あるものの将来を見込んで金銭や力をつぎ込むこと」に対して、「偶然の利益を得ようとねらおうとする行為」なので、ここでは「投機」を使います。

「投棄」の例文

例文1:大量のマスクが海に投棄されたというニュースがあった。

ここでは不要なものを棄てるという意味なので「投棄」を使います。

例文2:ゴミ処理に費用がかかるので、不法な投棄が後をたたない。

これもものを棄てるという意味なので「投棄」を使います。

論文・小論文で「投機」「投棄」を使い分ける視点

「とうき」は同音異義語ですが、「投機」は偶然の利益をねらう行為、「投棄」は不要な物を棄てる行為と意味が全く違うため、一度把握すれば簡単に解決できる漢字でもあります。論文・小論文では、それぞれの意味を確認した上で正しく使って行くようにしましょう。