青年期をかえりみる 「顧みる」「省みる」正しい漢字はどっち?

「かえりみる」という漢字は「顧みる」「省みる」と2つあります。どちらも振り返るという意味で同じように見えますが、それぞれで使い分けが必要です。特に論文・小論文では、使い方を間違えると、せっかく書いたものも意味の不明瞭なものになるので気を付けましょう。ここでは、「顧みる」「省みる」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。

「顧みる」と「省みる」の違い

顧みる(かえりみる)
意味:振り返って見ること。
「顧みる」は振り返って見ることを意味しますが、「顧問」「顧客」で使われるように、気にかける、心配するという意味でも用います。また、「回顧」で使われるように、過ぎ去った事を思い起こすことにも使います。意識を向ける対象は特定されていません。
省みる(かえりみる)
意味:自分の行いを振り返り反省すること。
「省みる」は「反省」や「内省」で使われるように、自分のしたことに悪い点はないか反省する意味で用います。意識を向ける対象は自分のみです。

青年期をかえりみるは顧みるが正しい

「青年期をかえりみる」は自らの過去である青年期を振り返ることなので、ここでは「顧みる」が正解です。

「顧みる」例文

例文1:危険を顧みず、嵐の中でも登山を強行する。

「危険をかえりみず」という表現はよく使われますが、ここでは「顧みず」が正解です。

例文2:結婚して幸せになったので、もう辛かった昔を顧みることはないだろう。

「昔を顧みる」は昔を思い起こすということで、反省する意味はないので、ここでは「顧みる」が正解です。

「省みる」の例文

例文1:後になって自分の人生を省みると無茶なことばかりやってたと思う。

「自分の人生をかえりみる」は反省を込めて振り返るという意味なので、ここでは「省みる」になります。

例文2:自分が仕事でミスをした理由を省みる。

「ミスをかえりみる」は、ミスを反省するという意味なので、ここでは「省みる」が正解です。

論文・小論文で「顧みる」と「省みる」を使い分ける視点

「かえりみる」は振り返るという意味ですが、「省みる」には反省という意味合いが込められています。「危険を顧みず」や「家庭を顧みず」などのよくある表現もありますので、文章の中で上手に使うようにしていきましょう。

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