「いっぺん」は「一辺」「一変」「一片」がありますが、それぞれの意味は異なります。論文・小論文ではそれぞれの意味を把握してきちんと使えるようにしていきましょう。ここでは「一辺」「一変」「一片」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。
「一辺」「一変」「一片」の違い
一辺(いっぺん)
意味:片側。一方。
「一辺」はその他に一つの辺、多角形の辺の一つなどの意味もあります。
一変(いっぺん)
意味:すっかり変わること。または変えること。
一片(いっぺん)
意味:ひとひら、ひときれ、ごくわずか。
「一片」は薄く平たく小さいもの一つ、全体から切り取られた一部分を意味します。また、その他にほんの少し、ごくわずかという意味もあります。
いっぺんの良心もないは一片が正しい
「いっぺんの良心もない」はごくわずかの良心もないということなので、ここでは「一片」が正解です。
「一辺」の例文
例文1:空き地にあった土管は一辺が30センチの六角形だった。
「いっぺんが30センチ」は一つの辺が30センチという意味なので、ここでは「一辺」を使います。
例文2:テーブルクロスの一辺にはフサをつけて、一辺にはビーズを縫いつけた。
「いっぺんにはフサをつけて、いっぺんにはビーズを縫いつけた」は片側にはフサをつけて、片側にはビーズを縫いつけたという意味なので、ここでは「一辺」を使います。
「一変」の例文
例文1:彼は母親が迎えに来ると態度が一変した。
「態度がいっぺんした」は態度がすっかり変わったということなので、ここでは「一変」を使います。
例文2:コロナで社会の常識は一変してしまった。
「社会の常識がいっぺんした」は社会の常識がすっかり変わったということなので、ここでは「一変」を使います。
「一片」の例文
例文1:お腹を空かせた犬に一片の肉を切り取ってくれてやった。
「いっぺんの肉」は一切れの肉のことなので、ここでは「一片」を使います。
例文2:加害者からは謝罪もなく、一片の誠意も感じられなかった。
「いっぺんの誠意」はほんのわずかの誠意ということなので、ここでは「一片」を使います。
論文・小論文で「一辺」「一変」「一片」を使い分ける視点
「一辺」は片側・一方のこと、「一変」すっかり変わること、「一片」はひとひら・ひと切れ・ごくわずかという意味になります。論文・小論文ではそれぞれきちんと書けるようにしておきましょう。