「おんびん」は「穏便」「音便」がありますが、意味は全く違います。論文・小論文ではそれぞれの意味に気を付けて使えるようにしましょう。ここでは、「穏便」「音便」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。
「穏便」と「音便」の違い
穏便(おんびん)
意味:物事をかど立てずおだやかに行うこと。
音便(おんびん)
意味:日本語の発音において、便宜上語中・語末で起こった連音変化。
「音便」は、日本語の歴史上発音の便宜によって語中・語末で起こった連音変化のことを言います。動詞の音便の種類には、イ音便・促音便・撥音便があり、 形容詞の音便の種類にはウ音便があります。
おんびんに済ませるは穏便が正しい
「おんびんに済ませる」は物事をかど立てずおだやかに行うことなので、ここでは「穏便」が正解です。
「穏便」の例文
例文1:できる限り穏便な処置を期待して、先方にさっそくお詫びの手土産を贈った。
「おんびんな処置」は物事をかど立てずおだやかに行う処置のことなので、ここでは「穏便」を使います。
例文2:恋人に暴力で言うことをきかせるというのは穏便ではない。
「おんびんではない」は物事をかど立てずおだやかに行っていないということなので、ここでは「穏便」を使います。
「音便」の例文
例文1:「読む」の動詞は「読みて」でではなく「読んで」と撥音便に変化します。
「撥おんびん」は日本語の発音の語中・語末で起こった連音変化の中のひとつのことをいうので、ここでは「音便」を使います。
例文2:音便は外国人にはかなりわかりにくい概念だと思う。
「おんびんはわかりにくい」は日本語の発音の語中・語末で起こった連音変化はわかりにくいということなので、ここでは「音便」を使います。
論文・小論文で「穏便」と「音便」を使い分ける視点
「おんびん」は「穏便」「音便」がありますが、意味は全く違います。「穏便」は穏やかなこと、「音便」は日本語の連音変化のことを言います。論文・小論文ではそれぞれの意味に気を付けて使えるようにしておきましょう。