かき消す 「書き」「搔き」正しい漢字はどっち?

「かき」は「書き」「搔き」がありますが、それぞれの使い方は全く違います。論文・小論文ではきちんと把握して書けるようにしておきましょう。ここでは、「書き」「搔き」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。

「書き」と「搔き」の違い

書き(かき)
意味:文字をかくこと。
「書き」の後に別の語をつけて複合詞として使います。「書き上げる」は書き終える、「書き集める」は書きまとめる、「書き誤る」は書き間違える、「書き味」はペン先などの滑り具合など、「書き」のあとに語をつけて複合詞とすることで様々な意味を持ちます。
搔き(かき)
意味:動詞について意味を強めたり語調を整えたりする。
「掻き」は「掻き消す」など、接頭語として意味を強めたり語調を整えたりする働きを持ちます。また、慣用句で使われ、頭・汗・あぐら・いびき・裏・寝言・恥・べそなどを掻くときの動詞として使われます。

かき消すは搔きが正しい

「かき消す」は消すという動詞について意味を強めたり語調を整えたりする働きのため、ここでは「掻き」が正解です。

「書き」の例文

例文1:料理研究家が世界のレシピを書き集めたノートからよく作るものをピックアップして本として出版しました。

「かき集める」は書きまとめるという意味なので、ここでは「書き」を使います。

例文2:文字を書き誤ったので、修正テープで直した。

「かき誤る」は書き間違えるという意味なので、ここでは「書き」を使います。

「搔き」の例文

例文1:大声で助けを求めたが、群集の騒音に掻き消されて誰にも伝わることがなかった。

「かき消される」は消すという動詞について意味を強めたり語調を整えたりする働きのため、ここでは「掻き」を使います。

例文2:昨日のプレゼンは資料が間違えていて恥を掻きました。

「恥をかく」は慣用句のため、ここでは「掻く」を使います。

論文・小論文で「書き」と「搔き」を使い分ける視点

「かき」は「書き」「搔き」がありますが、論文・小論文では「書き」は文字を書くこと、「搔き」は動詞について意味を強めたり語調を整えたりすることとして理解しておきましょう。