知恵をしぼる 「絞る」「搾る」正しい漢字はどっち?

中の液体を出す意味の「しぼる」は「絞る」「搾る」がありますが、それぞれ使われ方は違います。論文・小論文ではそれぞれの意味を区別して使うようにしましょう。ここでは「絞る」「搾る」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。

「絞る」と「搾る」の違い

絞る(しぼる)
意味:ねじり出すこと。
「絞る」はねじって中の液体などを出すという意味です。また、「知恵を絞る」「勇気を振り絞る」など簡単には出ないものをどうにか無理やり引き出す、「油を絞る」など叱る、「ピントを絞る」など物事の範囲を狭めたり、量を少なくしたり、厳しくしたりするという意味でも使われます。
搾る(しぼる)
意味:押しつぶし出すこと。
「搾る」は押しつぶして中の液体などを押し出すという意味です。また「税金を搾り取られる」など搾取という意味や「体を搾る」など鍛え上げるなどの意味でも使われます。

知恵をしぼるは絞るが正しい

「知恵をしぼる」は知恵のような簡単には出ないものをどうにか無理やり引き出すことなので、「絞る」が正解です。

「絞る」の例文

例文1:勇気をふり絞って発言してみた。

「勇気をふりしぼる」は勇気のような簡単には出ないものをどうにか無理やり引き出すことなので、「絞る」を使います。

例文2:そこの雑巾を絞って使ってください。

「雑巾をしぼる」はねじって中の液体を出すことなので、ここでは「絞る」を使います。

「搾る」の例文

例文1:搾りたての牛の乳からバターを作る。

「しぼりたて」は押しつぶして中の液体などを押し出したばかりということなので、ここでは「搾る」を使います。

例文2:今月のボーナスは妻にすっかり搾り取られた。

「妻に絞り取られる」は妻に搾取されるという意味なので、ここでは「搾る」を使います。

論文・小論文で「絞る」と「搾る」を使い分ける視点

中の液体を出す意味の「しぼる」は「絞る」「搾る」がありますが、それぞれ使われ方が違います。「絞る」はねじって水分を出すとき、「搾る」は押さえて水分を出すときに使います。論文・小論文ではそれぞれの使い方に注目して文中でも正しく使っていきましょう。