「さくい」という漢字は「作意」「作為」の2つがあります。それぞれの使い方は大きく変わってくるため、意味の違いを知っておきましょう。論文・小論文では、「作意」「作為」のそれぞれの意味の違いや例文について解説してきます。
「作意」と「作為」の違い
作意(さくい)
意味:製作の意図・企み。
「作意」は芸術作品において、作者の制作した意図や創作上の意向・工夫・趣向などを表します。また、企みという意味もあり、悪事をしようと考えるときにも使われます。
作為(さくい)
意味:作り事のこと。
「作為」は見せかけのために用いる手法で、わざと人の手を加え手直しをしたり、または、手を加えたりすることを意味します。法律では意思のある積極的行為のことを指します。
さくい的な行動は作為が正しい
「さくい的な行動」は作り事のようなわざとらしい行動のことなので、ここでは「作為」を使います。
「作意」の例文
例文1:この絵画で作者が言わんとしている作意はよくわからないが、一目見ただけで人を圧巻させるパワーは十分に感じられた。
「作者のさくいはよくわからない」は作者の芸術作品における製作の意図がわからないということなので、ここでは「作意」を使います。
例文2:作意が見え透いていて、聞いているだけで気分が悪い。
「さくいが見え透いている」は企みが見え透いているということなので、ここでは「作意」を使います。
「作為」の例文
例文1:あなたの発言は作為的で不自然な筋立てなので、アリバイがあるとみなすわけにはいかない。
「さくい的」は作り事をしているようなということなので、ここでは「作為」を使います。
例文2:このアンケートは無作為に抽出した100人の読者に行ったものです。
「無さくい」は作り事はしていないということなので、ここでは「作為」を使います。
論文・小論文で「作意」と「作為」を使い分ける視点
「さくい」は「作意」「作為」がありますが、それぞれの意味は異なります。「作意」は作品の意図・企て、「作為」は作り事という意味があることを覚えておきましょう。論文・小論文では漢字に気を付けて、適切な場所で適切な漢字が使えるようにしておきましょう。