決定を意味する「さいけつ」には「採決」「裁決」がありますが、それぞれの使うシーンは違ってきます。論文・小論文ではそれぞれの言葉について正しく使えるようにしていきましょう。ここでは「採決」「裁決」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。
「採決」と「裁決」の違い
採決(さいけつ)
意味:議案の可否を決める。
「採決」は、会議の際に議案の採否を決定するため、議長が構成員に表決(賛否の意思表示)の手続きをすることを言います。
裁決(さいけつ)
意味:道理を明らかにして裁くこと。
「裁決」は、物事の道理を明らかにして事案を裁く行為を言いますが、主には行政機関の処分・決定に対する不服申し立てに対して、行政機関が一方的に下す判断のことを言います。
さいけつを仰ぐは裁決が正しい
「さいけつを仰ぐ」は道理を明らかにして裁く一方的な判断のことなので、ここでは「裁決」が正解です。
「採決」の例文
例文1:無記名投票による採決で決着をつけよう。
「さいけつで決着をつける」は議案の可否で決着をつけるということなので、ここでは「採決」を使います。
例文2:株主総会の採決でも合併案は拒否された。
「株主総会のさいけつ」は株主総会の議案の可否を決めることなので、ここでは「採決」を使います。
「裁決」の例文
例文1:あとは裁判所の裁決を待つばかりだ。
「裁判所のさいけつ」は、裁判所が物事の道理を明らかにして事案を裁く行為なので、ここでは「裁決」を使います。
例文2:法廷が近く最終裁決を下すことになるだろう。
「さいけつを下す」は、物事の道理を明らかにして事案を裁く一方的な行為なので、ここでは「裁決」を使います。
論文・小論文で「採決」と「裁決」を使い分ける視点
「さいけつ」は「採決」「裁決」がありますが、「採決」は議案の可否、「裁決」は裁きという違いがあります。論文・小論文ではそれぞれの漢字に注目して、意味の違いを把握しておきましょう。