物腰がやわらかい 「柔らかい」「軟らかい」正しい漢字はどっち?

状態を表す「やわらかい」という言葉ですが、「柔らかい」「軟らかい」の2つの漢字があります。それぞれ使われるシーンが違うので、論文・小論文ではきちんとした文章を書けるようにするため、区別して覚えておきましょう。ここでは、「柔らかい」「軟らかい」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。

柔らかい(やわらかい)
意味:しなやか、穏やかな様子。
「柔らかい」はふっくらした様子を表していて、一度力を加えても元に戻る性質のものを言います。対義語は「堅い」「固い」になります。
軟らかい(やわらかい)
意味:手ごたえがない、軟弱な様子。
「軟らかい」はぐんにゃりした様子を表していて、一度力を加えると元に戻らない性質のものを言います。対義語は「硬い」になります。

物腰がやわらかいは柔らかいが正しい

「物腰がやわらかい」は物腰がしなやか、穏やかな様子を表しているので、ここでは「柔らかい」が正解です。

「柔らかい」の例文

例文1:体操選手は体が柔らかいので、どんなポーズも簡単にできる。

「体がやわらかい」は体がしなやかということなので、ここでは「柔らかい」を使います。

例文2:大仏様は柔らかな表情で参拝者を見つめているようだった。

「やわらかな表情」は穏やかな表情ということなので、ここでは「柔らかい」を使います。

「軟らかい」の例文

例文1:野菜は軟らかく煮たので、年寄りでも噛まずに食べることができる。

「やわらかく煮る」は歯ごたえがないように煮ることなので、ここでは「軟らかい」を使います。

例文2:この辺りは軟らかい地質なので、地震が来たら心配だ。

「やわらかい地質」は軟弱な地質のことなので、ここでは「軟らかい」を使います。

論文・小論文で「柔らかい」と「軟らかい」を使い分ける視点

「やわらかい」は「柔らかい」「軟らかい」がありますが、「柔らかい」はしなやか・おだやか、「軟らかい」は手ごたえがない、軟弱とそれぞれ違いがあるため、論文・小論文ではその点に気を付けて正しく使えるようにしておきましょう。