「ためる」は「貯める」「溜める」の2つがありますが細かい点で意味が異なります。それぞれの意味を把握して、論文・小論文を書く時に役立てましょう。ここでは、「貯める」「溜める」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。
「貯める」と「溜める」の違い
貯める(ためる)
意味:(お金を)蓄えること。
「貯める」は「貯金」の熟語からわかるように、主に金品を後に使ったり役立たせたりするためにお金を蓄えることを意味します。ポイントなどお金でなくても金品に換わるものなら同じように使えます。また、「貯水池」のようにあるものに時間をかけ、一ヵ所に集めていくことを指すときにも使えますが、該当するものは多くありません。
溜める(ためる)
意味:(お金以外の物を)むだにしないで備えること。よくないものを集めること。
「溜める」は主にお金以外のものに使い、必要なものを無駄にしないで集めるポジティブな意味合いと、対応すべきものを滞らせて増やすネガティブな意味合いを持ちます。お金に関しては「貯める」を使い、それ以外の物事は「溜める」を使います。「溜める」は常用外漢字なのでひらがなを使う場合もあります。
仕事をためるは溜めるが正しい
「仕事をためる」は仕事という対応すべきものを滞らせて増やすことなので、ここでは「溜める」が正解です。
「貯める」の例文
例文1:お小遣いを貯めてパソコンを買う。
「お小遣いをためる」はお小遣いというお金を蓄えることなので、ここでは「貯める」を使います。
例文2:お金を貯めてゆくゆくはマイホームを買いたい。
「お金をためる」はお金を蓄えることなので、ここでは「貯める」を使います。
「溜める」の例文
例文1:無駄遣いばかりしてしまい、家賃を3か月も溜めてしまった。
「家賃をためる」は家賃という対応すべきものを滞らせて増やすことなので、ここでは「溜める」を使います。
例文2:有給休暇が溜まっているので、思い切って海外旅行を計画した。
「有給休暇をためる」は有給休暇という必要なものを無駄にしないで集めることなので、ここでは「溜める」を使います。
論文・小論文で「貯める」と「溜める」を使い分ける視点
論文・小論文ではそれぞれの意味を間違えて使うと意味の通らない文章を作ってしまうことになります。そこで、「貯める」はお金を蓄える、「溜める」はそれ以外のものを蓄えると覚えておきましょう。