「しんてん」には「進展」「伸展」の2種類がありますが、これらは区別がある漢字でもあります。それぞれしっかりと理解して論文・小論文でうまく使えるようにしましょう。ここでは「進展」「伸展」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。
「進展」と「伸展」の違い
進展(しんてん)
意味:事態が進み展開すること。
「進展」は、「進歩」「発展」のように事態が進行して新しい段階や境地に進むことを意味します。「現代医学の進展はめざましい」のように「ものごとの勢い」について使われる場合もあります。
伸展(しんてん)
意味:勢いが広がること。
「伸展」は、勢力が伸び広がる、伸ばし広げることを意味します。また、医学的に体の関節の角度を大きくする運動のことを指す場合もあります。
開発にしんてんが見られるは進展が正しい
「開発にしんてんが見られる」は開発が進み展開することを意味しているので、ここでは進展が正解です。
「進展」の例文
例文1:もう何年も経つがこの事件の捜査の進展はあいかわらず見られない。
「捜査のしんてん」は捜査の進行や新たな展開のことをいうので、ここでは「進展」を使います。
例文2:中国ではIT技術が目覚ましく進展し、現在ではスマホなどの端末を使わないと生活ができないという事態にまでになっている。
「目覚ましいしんてん」は目覚ましく事態が進み展開することをいうので、ここでは「進展」を使います。
「伸展」の例文
例文1:レストラン経営だけでなくデリバリーも取り入れることで事業の伸展を図りたい。
「事業のしんてん」は事業の勢力が伸び広がるということなので、ここでは「伸展」を使います。
例文2:コロナ禍の苦境でも経営を縮小するのではなく、かえってこの機に乗じて勢力の伸展を図る勢いを持ちたい。
「勢力のしんてん」は勢力の広がりのことなので、ここでは「伸展」を使います。
論文・小論文で「進展」と「伸展」を使い分ける視点
同じ「しんてん」という音の「進展」と「伸展」ですが、それぞれの意味の違いを把握しておきましょう。「進展」は進行すること、「伸展」は広がることです。似たような漢字だけに論文・小論文では間違いやすいものでもありますので、気をつけて使うようにしましょう。