学ぶという意味の「しゅうとく」という言葉は「習得」「修得」の2つの漢字があります。ですが、それぞれは少しずつ意味が違っているので、きちんと覚えておかないと論文・小論文で使うときに間違えて使ってしまいそうです。ここでは、「習得」「修得」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。
「習得」と「修得」の違い
習得(しゅうとく)
意味:学問・技芸などを習って身につけること。
「習得」は、研修や稽古のように第三者に教わることによって身につけることを言います。主に技術・操縦などを学びますが、「修得」よりも分野は広く様々なものに使われているため、こちらの言葉の方が一般的です。知識レベルの段階で身に付けるというニュアンスがあります。
修得(しゅうとく)
意味:学問・学業などを学び修めること。
「修得」は学問・学業を学び終えて身につけることを言います。「修得」の場合、学問や学業に限定されるため、大学などを履修し終えたことを意味することもあります。ただ、「修得」は一人で学んで身につけた場合にも使えます。実践レベルの段階で身に付けるというニュアンスがあります。
大学での単位しゅうとくは修得が正しい
「大学での単位しゅうとく」は大学で学問・学業を学び終えてもらえる単位のことなので、ここでは「修得」を使います。
「習得」の例文
例文1:子どものころから茶道をしているので、一通りの作法は習得することができている。
「茶道をしゅうとくする」は芸事として茶道を第三者から教わって学ぶことなので、ここでは「習得」を使います。
例文2:パソコンの技術を習得するため、最近では専門学校に通う人も増えている。
「パソコン技術をしゅうとくする」は第三者から教わってパソコン技術を学ぶということなので、ここでは「習得」を使います。
「修得」の例文
例文1:大学で修得した知識を活かした職場で働きたい。
「大学でしゅうとくする」は大学で履修し終える、学び修めるということなので、ここでは「修得」を使えます。
例文2:将来医者になるため、大学時代は医学の知識を必死に修得した。
「医学の知識を必死にしゅうとくした」は医学の知識を学び修めるということなので、ここでは「修得」を使えます。
論文・小論文で「習得」と「修得」を使い分ける視点
同じ学ぶという言葉ですが、「習得」は習って身に付けること、「修得」は学び修めることという違いがあります。論文・小論文で書くときは、それぞれの意味を忠実にとらえて書くようにしましょう。