「きょうそう」には「競争」「競走」と2種類ありますが、それぞれの使い分けはどうしたらいいのか、一瞬迷ってしまいそうです。論文・小論文では、しっかりと違いを区別した上で使えるようにしましょう。ここでは「競争」と「競走」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。
「競争」と「競走」の違い
競争(きょうそう)
意味:勝敗・優劣を競うこと。
「競争」は競うものが正確さ、強さ、賢さ、スピードなどさまざまなもので優劣をつけ、勝敗を競います。
競走(きょうそう)
意味:走る速さを競うこと。
「競走」は、人や動物・車両などが、一定距離を移動する所要時間を競います。「競走」で競うのは「速さ」に限られます。
きょうそう原理は競争が正しい
「きょうそう原理」は互いに競い合ってより優位なものが多く獲得できるという考え方をいい、対象が速さではないところから、ここでは「競争」が正解です。
「競争」の例文
例文1:学生時代はスポーツも勉学もライバルと常に競争していたおかげで、切磋琢磨して大きく成長できたと思う。
「きょうそうしていた」は、速さではなく勝敗・優劣を競っていたところから、ここでは「競争」を使います。
例文2:生存競争に勝ち抜くためには、常に時代の流れを見て行動しないといけないと思う。
「生存きょうそう」は速さではなく生存の勝敗を競っているところから、ここでは「競争」を使います。
「競走」の例文
例文1:体育祭の100m競走はクラス対抗で大盛り上がりする競技である。
「100mきょうそう」は100mの速さを競う競技のため、ここでは「競走」を使います。
例文2:亀とウサギの競走は誰もがウサギの勝利だと思っていたが、その気の緩みで結局亀に勝ちを譲ってしまった。
「亀とウサギのきょうそう」は、亀とウサギのかけっこという速さを競う競技のため、ここでは「競走」を使います。
論文・小論文で「競争」「競走」を使い分ける視点
「きょうそう」は競う意味の言葉ですが、「競走」は走る速さのみを対象にしているのに対して、「競争」は様々なものの優劣を競うことを対象にしています。似たような言葉なので、論文・小論文では間違えないように気をつけましょう。