「げんぶつ」は品物に対して使われる言葉ではありますが、「現物」と「原物」は同じ音なのに意味が違います。論文・小論文を書く上で、それぞれの意味を理解した上で上手に使っていくようにしましょう。ここでは「現物」「原物」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。
「現物」と「原物」の違い
現物(げんぶつ)
意味:現在実際に存在する品物。
「現物」は金銭でない物品という意味で用いられることもあります。対義語は「先物」になります。
原物(げんぶつ)
意味:もとの品物、オリジナルのこと。
「原物」の対義語は「複製」や「コピー」になります。
げんぶつに似せて作るは原物が正しい
「げんぶつに似せて作る」はオリジナルの品物に似せて作るということなので、ここでは「原物」が正解です。
「現物」の例文
例文1:現物取引は株式用語で、その時々の市場の時価で計算した売買代金を受け渡すことで行われています。
「げんぶつ取引」はその時々の市場の時価という現在存在する品物を指すため、ここでは「現物」を使います。
例文2:戦時中はお金があっても買えないことが多かったので、現物支給されることも多くあった。
「げんぶつ支給」は金銭でなく実際に存在する品物で支給するという意味なので、ここでは「現物」を使います。
「原物」の例文
例文1:複製技術の発達のおかげで、今やコピーは原物と比べてみても違いがわからないほど精巧だ。
「げんぶつと比べる」はオリジナルと比べるという意味なので、ここでは「原物」を使います。
例文2:いくら本物に似せていても、現物の方が断然美しい。
「げんぶつの方が美しい」はオリジナルの方が美しいという意味なので、ここでは「原物」を使います。
論文・小論文で「現物」と「原物」を使い分ける視点
「げんぶつ」という漢字は、「現物」「原物」がありますが、「現物」が現在存在する品物・金銭でない物品のこと、「原物」がオリジナルのことと覚えておきましょう。論文・小論文ではそれぞれの漢字の違いに気を付けて覚えておきましょう。