「かんしん」は「関心」「感心」「歓心」といくつも同音異義語がありますが、3つとも相手に対してプラスなイメージを植えつけるもので、日常会話でもよく使われるものです。論文・小論文ではそれぞれの意味の違いを知って、適切に使えるようにしましょう。ここでは、「関心」「感心」「歓心」それぞれの意味の違いや例文について解説していきます。
「関心」「感心」「歓心」の違い
関心(かんしん)
意味:興味があること。
「関心」はある対象に向けられている積極的・選択的な心構え、または感情のことをいいます。興味だけでなく気がかりなことを指すこともあります。
感心(かんしん)
意味:感服すること。
「感心」は人の行動や物事が優れた技量だった時に心を深く揺り動かされたという褒め言葉として使います。その際、目上から目下の者、あるいは同等の相手にしか使えません。また、「感心」は「感心しない」「感心できない」など否定文で使うこともあります。この場合は、遠回しに相手を批判・非難するニュアンスで使います。一方、本当は優れていないのに、「感心」を使うと、皮肉になってしまい、「あまりのひどさにあきれる」という否定的な意味を持ちます。
歓心(かんしん)
意味:喜ぶこと。
「歓心」は心から喜ぶこと、相手がよくしてくれたと思って喜ぶ気持ちをいいますが、「歓心を買う」など機嫌を取るという意味や「歓心を得る」など人に気に入られるという意味にも使います。
恋愛にはかんしんがないは関心が正しい
「恋愛にかんしんがない」は恋愛には興味がないということなので、ここでは「関心」が正解です。
「関心」の例文
例文1:最近、在宅勤務や副業に関心を持つ人が増えてきている。
「在宅勤務や副業にかんしんを持つ」は在宅勤務や副業に興味を持つということなので、ここでは「関心」を使います。
例文2:政治に無関心だと投票率は下がる。
「無かんしん」は興味がないということなので、ここでは「関心」を使います。
「感心」の例文
例文1:彼の勇敢な行動には、その場にいたみんなが感心した。
「勇敢な行動にかんしんした」は行動が優れていると思った時の褒め言葉として使っているため、ここでは「感心」を使います。
例文2:そのやり方で顧客に買わせるのはあまり感心できない。
「かんしんできない」は遠回しに相手を批判・非難しているところから、ここでは「感心」を使います。
例文3:こんな時でもポジティブでいられるのには感心してしまう。
「かんしんしてしまう」は、こんな悪い状況でもポジティブだという皮肉の意味で使っているため、ここでは「感心」を使います。
「歓心」の例文
例文1:上司の歓心を買うために、今までいろいろと努力してきた。
「かんしんを買う」は機嫌を取るということなので、ここでは「歓心」を使います。
例文2:意中の女性の歓心を得るために、彼はことあるごとにプレゼントをしていた。
「かんしんを得る」は、気に入られるという意味なので、ここでは「歓心」を使います。
論文・小論文で「関心」「感心」「歓心」を使い分ける視点
「かんしん」はいくつもの言葉がありますが、「関心」は興味、「感心」は感服、「歓心」は喜びと覚えておきましょう。論文・小論文で「かんしん」を使うことは多いですが、それぞれ正しく使えるようよく整理しておきましょう。