「おろか」は「愚か」「疎か」がありますが、それぞれが使うシーンは異なります。論文・小論文ではきちんと使えるようにしておきましょう。ここでは「愚か」「疎か」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。
「愚か」と「疎か」の違い
愚か(おろか)
意味:馬鹿げている様子。
「愚か」は未熟な様子や考えが足りない様子を表します。その他にも働きが鈍い様子にも使います。
疎か(おろか)
意味:もちろん。
「疎か」は言うまでもないことであるというニュアンスを含みます。「〜は疎か」「〜も疎か」と使う場合、前者は言うまでもなくそうであり、後者はもちろんそうであるという意味になります。「疎か」はまた「おそろか」とも読みますが、その時は意味が異なります。
財産はおろか命までも失いかねないは「疎か」が正しい
「財産はおろか命までも失いかねない」は財産は言うまでもなくそうであり、命までも失いかねないという意味なので、ここでは「疎か」が正解です。
「愚か」の例文
例文1:コロナ禍で何度も緊急事態宣言を延長するのは愚かなことだ。
「おろかなこと」は馬鹿げたことという意味なので、ここでは「愚か」を使います。
例文2:愚かにも彼は全財産を全て株に費やして失ってしまった。
「おろかにも」は馬鹿げたことにもという意味なので、ここでは「愚か」を使います。
「疎か」の例文
例文1:目玉焼きは疎か、ご飯すら炊いたことがない。
「目玉焼きはおろか、ご飯すら炊いたことがない」は目玉焼きは言うまでもなく、ご飯はもちろん炊いたことがないと言うことなので、ここでは「疎か」を使います。
例文2:学校は閑散として、学生は疎か職員一人見当たらない。
「学生はおろか、職員一人見当たらない」は学生は言うまでもなく、職員もちろん一人もいないと言うことなので、ここでは「疎か」を使います。
論文・小論文で「愚か」と「疎か」を使い分ける視点
「おろか」は「愚か」「疎か」がありますが、それぞれ意味は異なります。論文・小論文では「愚か」は馬鹿げている様子、「疎か」はもちろんと言う意味で覚えておきましょう。