「こうじゅつ」は「口述」「後述」「公述」とありますが、それぞれ音は同じですが意味が違います。論文・小論文ではそれぞれの意味に気を付けて使えるようにしましょう。ここでは、「口述」「後述」「公述」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。
「口述」「後述」「公述」の違い
口述(こうじゅつ)
意味:口で述べること。
「口述」は口で述べることで、対義語は「筆述」になります。
後述(こうじゅつ)
意味:あとで述べること。
「後述」はあとで述べることで、対義語は「前述」となります。
公述(こうじゅつ)
意味:公の席で意見を述べること。
こうじゅつ人として呼ばれるは公述が正しい
「こうじゅつ人として呼ばれる」は公の席で意見を述べる人として呼ばれることを意味するので、ここでは「公述」が正解です。
「口述」の例文
例文1:大学院の試験には口述試験があるので、口下手な私には難関になりそうだ。
「こうじゅつ試験」は試験官が問題を出題し、受験者が口頭で回答する形の試験なので、ここでは「口述」を使います。
例文2:後ろで口述筆記をしているので、思ったまま話してくれたらいいですよ。
「こうじゅつ筆記」は他の人が述べることをその場で書き記すことなので、ここでは「口述」を使います。
「後述」の例文
例文1:文章を書く時、まずは伝えるべき流れを大まかに紹介した上で、詳細は後述するとわかりやすい。
「詳細はこうじゅつする」は詳細はあとで述べるということなので、ここでは「後述」を使います。
例文2:ここでは偉人の生涯について年表の形で前述したあと、それぞれの事件の詳細は後述します。
「事件の詳細はこうじゅつする」は事件の詳細はあとで述べるということなので、ここでは「後述」を使います。
「公述」の例文
例文1:公聴会で公述人として意見を言うことになった。
「こうじゅつ人」は公の席で意見を述べる人のことなので、ここでは「公述」を使います。
例文2:代理人が公述した内容が事実とは違っていた。
「こうじゅつした内容」は公の席で述べた意見の内容のことなので、ここでは「公述」を使います。
論文・小論文で「口述」「後述」「公述」を使い分ける視点
「こうじゅつ」という漢字はいくつかありますが、「口述」は口で述べること、「後述」はあとで述べること、「公述」は公の席で述べることに分けられます。論文・小論文ではそれぞれの漢字をよく見て、その意味を確認した上で使うと間違わずに書けそうですね。