症状が重いことに使う「じゅうしょう」という言葉は「重症」「重傷」がありますが、それぞれの意味は似ているものの使い方は違います。論文・小論文ではそれぞれの意味を正しく理解した上で使えるようにしていきましょう。ここでは、「重症」「重傷」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。
「重症」と「重傷」の違い
重症(しゅうしょう)
意味:病気または症状が重いこと。
「重症」は病気の症状が重いことを意味します。その他にも、比喩的に、何かに熱中する程度が甚だしいことも意味します。消防署による定義のため、病気を含めた症状の状態に焦点が当たっていて、傷病の程度が3週間以上の入院を必要とするものに使います。対義語は、「軽症」になります。
重傷(しゅうしょう)
意味:重いケガのこと。
「重傷」は、大怪我のようにケガや傷の程度が大きいことを意味します。警察による定義のため、事件などによるケガの状態に焦点が当たっていて、命に別状はないけれど全治30日以上要する傷や怪我を有するものに使います。ニュースや新聞などの報道はこの定義に基づいているため基本的に「重傷」を使います。対義語は、「軽傷」になります。
花粉症がじゅうしょうになってしまったは重症が正しい
「花粉症がじゅうしょうになってしまった」は花粉症という病気の症状を表わすため、ここでは「重傷」が正解です。
「重症」の例文
例文1:呼吸器系疾患のある人はコロナウイルスにかかると重症化しやすいと言われている。
「コロナウイルスでじゅうしょう化しやすい」はコロナウイルスは病気なので、ここでは「重症」を使います。
例文2:朝から晩まで気がついたらゲームをしている彼のゲーム好きは重症だ。
「ゲーム好きはじゅうしょう」はゲームに熱中する程度が甚だしいことを意味するので、ここでは「重症」を使います。
「重傷」の例文
例文1:人が屋根から落ちて重傷なので、はやく救急車を呼んでください。
「屋根から落ちてじゅうしょう」は屋根から落ちてケガをしたことを意味するので、ここでは「重傷」を使います。
例文2:地面を突き上げるような大きな地震だったが幸い重傷者はいなかった。
「幸いじゅうしょう者はいなかった」は幸いケガをした人はいなかったことを意味するので、ここでは「重傷」を使います。
論文・小論文で「重症」「重傷」を使い分ける視点
症状が重いことを表す「じゅうしょう」ですが、「重症」は病気、「重傷」はケガと区別しておきましょう。論文・小論文ではきちんと使い分けられるようにしておきましょう。