「はなす」という漢字には「離す」「放す」の2つがありますが、それぞれの意味は違います。論文・小論文で使うときには意味の違いを区別して使うようにしましょう。ここでは「離す」「放す」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。
「離す」と「放す」の違い
離す(はなす)
意味:分離すること、距離を置くこと。
「離す」は物理的に距離をあけることや分けることを意味します。
放す(はなす)
意味:解放すること、自由にすること。
「放す」は、握ったりつかんだりしていたものをやめる、捕まえていたものを自由の身にするという意味の他に、矢や弾丸など発射したあとにほったらかしにしておくことにも使います。
人との距離をはなすは離すが正しい
「人との距離をはなす」は人との距離を置くことなので、ここでは「離す」が正解です。
「離す」の例文
例文1:感染防止のため1mは離して座ってください。
「1mは離す」は1mは距離を置くということなので、ここでは「離す」を使います。
例文2:愛し合っていた人なのに、親同士が反対して結局は2人の仲を離してしまった。
「仲をはなす」は仲を分離させることなので、ここでは「離す」を使います。
「放す」の例文
例文1:ドックランについたら、散歩していた犬のリードを放して自由に走り回れるようにした。
「リードをはなす」はリードを解放して自由にすることなので、ここでは「放す」を使います。
例文2:いくら子供が言うことを聞かないからといって、見放してはいけない。
「見はなす」はほったらかすことなので、ここでは「放す」を使います。
論文・小論文で「離す」と「放す」を使い分ける視点
「はなす」は「離す」「放す」の2種類がありますが、「離す」は物理的に距離を置くこと、「放す」は自由にすることと覚えておきましょう。論文・小論文を書くときには、「分離」なのか、「解放」なのかということを念頭に使い分けられるようにしましょう。