「いこう」は「移行」「意向」「以降」がありますが、それぞれの意味は異なります。論文・小論文ではそれぞれの意味に気を付けて使えるようにしておきましょう。ここでは、「移行」「意向」「以降」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。
「移行」「意向」「以降」の違い
移行(いこう)
意味:ある状態から他の状態へ移っていくこと。
意向(いこう)
意味:思惑。
「意向」は心の向かうところのことを言います。
以降(いこう)
意味:以後。
「以降」はある時間や、その出来事が起きてから後という意味です。「3時以降」いう場合は3時も含まれます。
新体制にいこうするは移行が正しい
「新体制にいこうする」はある状態から新体制の状態へ移っていくことなので、ここでは「移行」が正解です。
「移行」の例文
例文1:新しいシステムに移行している間の措置として、しばらくの間は個人間のメールでのやり取りを行うことにします。
「いこうしている間の措置」はある状態から他の状態へ移っていく間の措置ことなので、ここでは「移行」を使います。
例文2:5月は制服の冬服から夏服の移行期間です。
「いこう期間」はある状態から他の状態へ移っていく期間のことなので、ここでは「移行」を使います。
「意向」の例文
例文1:作家を集めてサイン会をするには、作家の意向を確かめなくてはならない。
「作家のいこう」は作家の思惑のことなので、ここでは「意向」を使います。
例文2:御社の意向に沿えるよう努力したいと思います。
「いこうに沿う」は思惑に沿うことなので、ここでは「意向」を使います。
「以降」の例文
例文1:午後3時以降なら家に帰っています。
「午後3時いこう」は午後3時より後のことなので、ここでは「以降」を使います。
例文2:夜から改修工事を始めるため、明日以降このフロアは立ち入り禁止です。
「明日いこう」は明日より後のことなので、ここでは「以降」を使います。
論文・小論文で「移行」「意向」「以降」を使い分ける視点
「いこう」は「移行」「意向」「以降」がありますが、それぞれの意味は異なります。論文・小論文では「移行」は移る、「意向」は思惑、「以降」は以後と覚えておきましょう。