「かんこう」は「慣行」「敢行」「完工」がありますが、それぞれの意味は異なります。論文・小論文ではきちんと意味を理解して正しく使えるようにしましょう。ここでは「慣行」「敢行」「完工」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。
「慣行」「敢行」「完工」の違い
慣行(かんこう)
意味:以前から習慣として行われていること。
敢行(かんこう)
意味:悪い条件であっても無理を承知で思い切って行うこと。
完工(かんこう)
意味:竣工。
「完工」は工事が完了することを意味します。
嵐の中で運動会をかんこうするは敢行が正しい
「嵐の中で運動会をかんこうする」は嵐の中という悪い条件であっても無理を承知で運動会を思い切って行うことなので、ここでは「敢行」が正解です。
「慣行」の例文
例文1:慣行にならって村の行事を執り行う。
「かんこうにならって行事を執り行う」は以前から習慣として行うことなので、ここでは「慣行」を使います。
例文2:いつもお正月は上司の家に集まることが慣行となっている。
「上司の家に集まることがかんこうになっている」は以前から習慣として上司の家に集まることなので、ここでは「慣行」を使います。
「敢行」の例文
例文1:雨が降りそうだったが、遠足は予定通り敢行した。
「雨が降りそうだったが、遠足はかんこうした」は雨が降りそうだという悪い条件であっても無理を承知で遠足を思い切って行うことなので、ここでは「敢行」を使います。
例文2:コロナ禍で感染のリスクがあったが、オリンピックは敢行した。
「感染のリスクがあったが、オリンピックはかんこうした」は感染のリスクという悪い条件であっても無理を承知でオリンピックを思い切って行うことなので、ここでは「敢行」を使います。
「完工」の例文
例文1:待望の橋がようやく完工した。
「橋がかんこうした」は橋の工事が完了したということなので、ここでは「完工」を使います。
例文2:大学の研究棟があと1年ぐらいで完工するらしい。
「あと1年ぐらいでかんこうするらしい」はあと1年ぐらいで工事が完了するということなので、ここでは「完工」を使います。
論文・小論文で「慣行」「敢行」「完工」を使い分ける視点
「かんこう」は「慣行」「敢行」「完工」がありますが、それぞれの意味は異なります。「慣行」は習慣、「敢行」は無理を承知で思い切って行うこと、「完工」は竣工を意味します。論文・小論文ではきちんと使えるように理解しておきましょう。