「覆水盆に返らず」の意味と例文

「覆水盆に返らず」は日常でもよく使われる故事成語です。具体的にどのように使えばいいでしょう。ここでは「覆水盆に返らず」の意味と例文を紹介していきます。

「覆水盆に返らず」の読み方

読み方:ふくすいぼんにかえらず
「覆水盆に返らず」の「覆水」は「ふくすい」と読みます。また「返らず」は「帰らず」ではなく「返らず」の漢字を使います。「覆水盆に返らず」はこの形で故事成語になっているため、その他のバリエーションはありません。

「覆水盆に返らず」の意味

意味:取り返しがつかないことのたとえ
「覆水盆に返らず」は中国の『拾遺記』の故事に由来すると言われています。周の国に呂尚と馬氏という夫婦がいましたが、夫の呂尚が働かなかったため、妻の馬氏は愛想をつかして別れます。その後、呂尚は王に見出され大出世したので、妻は復縁を求めます。そこで、呂尚は盆の水をこぼし、こぼした水を元に戻せたなら復縁に応じると言ったものの、馬氏がうまく戻せなかったため、そこから「覆水盆に返らず」は取り返しのつかないたとえとして使われるようになったと言われています。「覆水盆に返らず」の「覆水」はこぼれた水を意味し、「盆」は平たい鉢のことを意味します。ここから、「覆水盆に返らず」は一度こぼれた水は二度と元の盆に戻らないという意味になり、転じて、取り返しがつかないことのたとえとして使われるようになったと言われています。

「覆水盆に返らず」の例文

例文1:別れたのだから、覆水盆に返らずで二人が再び一緒に暮らすことはもうないだろう。
例文2:覆水盆に返らずとはいうが、できればもう一度やり直すチャンスがほしい。
例文3:覆水盆に返らずで捨ててしまったものをまた取り戻すことはできないよ。
例文4:覆水盆に返らずでもうあなたとの関係を修復するつもりはない。
例文5:我慢が出来ず辞表を出してしまったので、覆水盆に返らずで今更職場に戻れないよ。

「覆水盆に返らず」をうまく用いる

「覆水盆に返らず」は日常でよく使われる故事成語です。論文・小論文でも正しく理解してきちんと使えるようにしておきましょう。

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