窓をしめる 「閉める」「絞める」「締める」のどれが正しい?

「しめる」はたくさんの漢字があり、どの漢字をあてはめたらいいのか悩む言葉でもあります。論文・小論文ではよく出てくる漢字でもあるので、正しい使い方をよく覚えておくようにしましょう。ここでは、「閉める」「絞める」「締める」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。

「閉める」「絞める」「締める」の違い

閉める(しめる)
意味:窓やドアなどを動かして隙間を閉じること。
「閉める」は窓やドアなどを動かして隙間を閉じることを意味しますが、「店を閉める」など営業や業務を終わりにしたり、廃業にしたりする意味にも使います。
絞める(しめる)
意味:首を紐などできつく圧迫して息ができないようにすること。
「絞める」は首などを圧迫して息ができないようにすることを意味しますが、殺すことを目的とする場合も多いため、「絞める」だけで「殺す」というニュアンスになることもあります。
締める(しめる)
意味:力や圧力を加えて緩みがないようにすること。
「締める」は多義語のため、それ以外にも「締め切る」など仕事や作業の期限に区切りをつけること、「家計を締める」など節約すること、「魚を酢で締める」など塩や酢を使って魚の身を引き締めること、「ふんどしを締める」など気を引き締めることなど様々な意味を表します。

窓をしめるは「閉める」が正しい

「窓をしめる」は「窓やドアなどを動かして隙間を閉じること」という開閉に関わることなので「閉める」を使います。

「閉める」の例文

例文1:箱のふたを閉めておかないと中のものが飛び出してしまう。

開閉式のフタの場合は「閉める」を使います。

例文2:祖父の代から続いていたお店だったが、後継ぎがいないのでやむなく閉めることにした。

「店をしめる」は「閉める」を使います。店の場合は「営業時間の終了」と「廃業」の2つの意味で使われます。この文では廃業するという意味で「閉める」が使われています。

「絞める」の例文

例文1:今朝絞めたばかりの鶏なので新鮮でおいしい。

「しめた鶏」なので、首をしめて殺したという意味合いから「絞める」を使います。「絞める」は「首をしめる」ことなので、殺すというニュアンスでもよく使われます。

例文2:日頃から頑張っていないと、結局は自分で自分の首を絞めることになる。

「自分で自分の首を絞める」とは慣用句で「自分で自分を苦しめるような状況を作る様子」をいいます。ここでは殺す意味はありませんが、結果的に自分を苦しめる意図があるため、「首をしめる」の「絞める」を使います。

「締める」の例文

例文1:きちんとボルトを締めていない足場の上に乗るのは危険です。

「ボルトをしめる」はゆるみがないようにすることなので「締める」を使います。ちなみに、「フタをしめる」は扉で開閉するようなものは「閉める」を使いますが、瓶のフタのようにねじで回すようなものは「締める」を使います。

例文2:娯楽や旅行でお金を使いすぎたから今月は家計を締めないとならない。

「家計をしめる」は節約するという意味なので「締める」を使います。

論文・小論文で「閉める」「絞める」「締める」を使い分ける視点

「しめる」は区別の難しい漢字でもあります。「閉める」は開閉に関わること、「絞める」は首をしめること、その他は「締める」と考えておくといいでしょう。ちなみに、「フタをしめる」は開閉式のものなら「閉める」、ねじ式のものなら「締める」となります。