「かわる」という漢字は、区別のつきにくく、間違いやすいもののひとつでもあります。似たような意味でもあるため、それぞれの違いに気を付けながら使い分けができるようにしましょう。ここでは、「変わる」「代わる」「替わる」「換わる」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。
「変わる」「代わる」「替わる」「換わる」の違い
首相がかわるは「代わる」が正しい
「首相がかわる」は、首相という地位や役割を次にバトンタッチする意味となるので「代わる」を使います。
「変わる」の例文
「住所がかわる」はある場所から他の場所に移動するところから「変わる」を使います。
「10年前と比べてかわる」は時間の変化とともに起こることから「変わる」を使います。
「代わる」の例文
「3代目にかわる」は代がわりを意味していて、3代目になったあと、めったなことでは、1代目、2代目が出てくることはないだろうという不可逆なところからも「代わる」を使います。
「クレジットカードは現金にかわる支払い手段」というところから、クレジットカードが普及したあとは、また現金の支払いに戻るということは考えにくいため。不可逆なところから「代わる」を使います。
「替わる」の例文
「年がかわる」ということは、交替することなので「替わる」を使います。ただ実際には「年が変わる」という表現も使われています。
この場合の「入れ替わる」は、別の新しい人にかわるため「替わる」を使います。
「換わる」の例文
読まない本とその等価値のお金を交換したので、ここでは「換える」を使います。
引き換え券は一定量のお米をもらうのに匹敵する価値があるので、ここでは「換える」を使います。
論文・小論文で「変わる」「代わる」「替わる」「換わる」を使い分ける視点
論文・小論文で「かわる」という言葉を使うことは多いので、それぞれの特徴に注目して、しっかりと使い分けるようにしましょう。「変わる」は幅広い内容を表すことが多く、状態や様子の変化や場所の移動、時間の経過など「変化」を表します。一方で、「代わる」は入れ代われる意味ではあるものの、何度も同じ立場に戻ることが難しいもの、それに対して「替わる」は「月替わり」「週替わり」など何度も同じことが繰り返されるものという違いがあります。「換わる」は「交換」の意味になり、等価値のものが交換されるときに使います。
「役がかわる」という言葉を、「変わる」にすると、いつもうさぎにエサをやるという内容からうさぎの部屋の掃除という内容に変化すること、「代わる」にすると、今年Aさんが担当していた役を辞めて、来年Bさんに交代するということ、「替わる」にすると、「毎月かわりばんこで役が交替するということ、「換わる」にすると、Aさんの役割とBさんの役割を入れかえたということになります。
「変化」「交代」「交替」「交換」などの熟語で覚えておくのもまた有効な方法です。