「いちどう」はさまざまな意味を持つ漢字のある言葉です。ですが、使われる場面は大きく違うため、論文・小論文を書く時は注意しましょう。ここでは「一同」「一堂」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。
「一同」と「一堂」の違い
一同(いちどう)
意味:その場の全員を指す。
その場にいる、もしくは、関係する人、仲間全員という意味です。人に対して使います。
一堂(いちどう)
意味:同じ場所・建物を指す。
一つの堂、同じ堂、つまり、同じ会場、同じ場所という意味です。場所に対して使います。
いちどうに会するは一堂が正しい
「いちどうに会する」は何か目的を持って一つの同じ場所に集まることをいうので、ここでは「一堂」を使います。
「一同」の例文
例文1:社員一同で結婚を祝福した。
「社員いちどう」は社員の全員ということで、人が対象になっているので、ここでは「一同」を使います。
例文2:功労者が入場したため、一同が一斉に起立して、拍手で迎えた。
「いちどうが起立して」は、そこにいる全員が起立したと人が対象になっているので、ここでは「一同」を使います。
「一堂」の例文
例文1:関係者が一堂に集まって、今後の方針を協議した。
「いちどうに集まる」は一ヶ所に集まると場所を対象にしているので、ここでは一堂を使います。
例文2:緊急事態が発生したため、国のトップが一堂に会して対策会議を行った。
「いちどうに会して」は、1つの同じ場所に集まるということで、場所を対象にしているので、ここでは一堂を使います。
論文・小論文で「一同」と「一堂」を使い分ける視点
「一同」は全員という意味で人が対象になっているのに対し、「一堂」は同じ場所という意味で、場所が対象になっています。論文・小論文では、きちんと理解して書けるようにしておきましょう。