しがないサラリーマンかぎょう 「稼業」「家業」正しい漢字はどっち?

「家業」と「稼業」は仕事を表す言葉で、どちらも似たような意味を持つため間違いやすい漢字でもあります。論文・小論文では、混同しないようにしっかりと違いを理解して使えるようにしましょう。ここでは「稼業」「家業」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。

「稼業」と「家業」の違い

稼業(かぎょう)
意味:収入源とする職業のこと。
「稼業」は、生計を維持するために主な収入源として従事している職業・商売のことを言います。「稼業」は家族にまつわるというニュアンスはなく、広く一般的な仕事を指します。「しがない稼業」など、よく自嘲的なニュアンスで使われることもあります。
家業(かぎょう)
意味:その家代々の職業のこと。
「家業」はその家を継ぐ者が代々世襲している職業・商売という意味があります。自営業で生業と言われる仕事のことです。同じように、武芸や芸能など、その家に代々伝わった技術、才能など家族や一族が世襲的に継承していく技術という意味もあります。「家業」は家族にまつわる職業ということができます。

しがないサラリーマンかぎょうは稼業が正しい

「サラリーマンかぎょう」は、サラリーマンが自営業ではないこと、一般的な仕事というところから、ここでは「稼業」を使います。「しがない」という言い方から自嘲気味なニュアンスがあります。

「稼業」の例文

例文1:3年前からサラリーマン稼業を辞めて、知り合いの仕事を手伝っています。

サラリーマンかぎょうは、サラリーマンが自営業ではない一般の仕事ということから、ここでは「稼業」と使います。

例文2:役者稼業は不安定なので、有名人になってもアルバイトをしている人は多い。

「役者かぎょう」は役者の仕事という意味で、自営業というニュアンスもないので、ここでは「稼業」となります。

「家業」の例文

例文1:家業を継ぐので、10年も勤めていた仕事を辞めないといけなくなった。

「かぎょうを継ぐ」は、その家で代々生業にしている仕事ということなので、ここでは「家業」を使います。

例文2:息子も家業の農業を手伝うようになった。

「かぎょうの農業」は自営業としての仕事、家族にまつわる仕事というところから、ここでは「家業」を使います。

論文・小論文で「稼業」と「家業」を使い分ける視点

論文・小論文で表現するときは、適切に使いたい言葉でもあるので「稼業」は生活のための仕事、「家業」は家代々の仕事と分けて覚えるといいですよ。迷いやすい漢字でもありますが、自分が伝えたい意図にふさわしい漢字が書けるようにしておきましょう。

 

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