「きょうい」の同音異義語には「脅威」「驚異」があります。両者はそれぞれ正反対のニュアンスを持つため、論文・小論文で使う時は気を付けましょう。ここでは、「脅威」「驚異」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。
「脅威」と「驚異」の違い
脅威(きょうい)
意味:力でおびやかすこと。
「脅威」は強い力で脅かすこと、また、そのような威力を意味します。危害を加えられたり、大きな損害を受けたりするのではないかという恐れのことをいうため、マイナスイメージのニュアンスがあります。
驚異(きょうい)
意味:とても驚くこと。
「驚異」は驚くほど不思議に思うことや、驚くほど素晴らしいことに使います。その結果、感動したり、褒め称えられたりするプラスイメージのニュアンスがあります。
きょうい的な記録は驚異的が正しい
「きょうい的な記録」は驚くべきすばらしい記録ということなので、ここでは「驚異」が正解です。
「脅威」の例文
例文1:大手通信会社の飲食業界への参入は、すべての既存飲食業界において大きな脅威だ。
「大きなきょうい」は恐れているというマイナスイメージのため、ここでは「脅威」を使います。
例文2:津波の映像を見て大自然の脅威を感じた。
「大自然のきょうい」は津波の映像から怖さを感じたというマイナスイメージのため、ここでゃ「脅威」を使います。
「驚異」の例文
例文1:彼は初出場に関わらずこの大会で驚異的な記録を叩き出し、一躍時の人となった。
「きょうい的な記録」は驚くほど素晴らしい記録というプラスイメージのことなので、ここでは「驚異」を使います。
例文2:大自然の驚異を体感できるツアーに参加した。
「大自然のきょうい」は大自然の感動するほど素晴らしい体験というプラスイメージのことなので、ここでは「驚異」を使います。
論文・小論文で「脅威」「驚異」を使い分ける視点
「脅威」と「驚異」、どちらを使うべきか迷ったときは、「脅威」がマイナスイメージ、「驚異」がプラスイメージと覚えておけばいいでしょう。論文・小論文を書く時には、しっかり意味を把握して、より分かりやすい文章になるように心がけましょう。