「勝って兜の緒を締めよ」の意味と例文

「勝って兜の緒を締めよ」は日常ではもうあまり使われないことわざです。それでは、具体的にどのように使えばいいでしょう。ここでは「勝って兜の緒を締めよ」の意味と例文を紹介していきます。

「勝って兜の緒を締めよ」の読み方

読み方:かってかぶとのおをしめよ
「勝って兜の緒を締めよ」の「兜」は「かぶと」と読みます。また「緒」は「しょ」ではなく「お」と読みます。「勝って兜の緒を締めよ」はこの形でことわざになっているため、その他のバリエーションはありません。

「勝って兜の緒を締めよ」の意味

意味:気持ちを張り詰め心を引き締めよという意味で、勝って気持ちが緩むことを戒めていう言葉
「勝って兜の緒を締めよ」は、戦国武将である北条氏綱の言葉が由来していると言われています。氏綱は、息子である氏康に『五箇条の訓戒』を遺しますが、その5つ目に「手際なる合戦にて夥敷勝利を得て後、驕の心出来し。敵を侮り、或は不行義なる事、必ある事也。可慎。散々如斯候而、滅亡の家、古より多し。此心、万事にわたるそ。勝て甲の緒をしめよ、といふ事忘れ給ふへからす。」という言葉があります。これは、「合戦で勝利が続いた後は、驕りの心が生まれる。敵を侮ったり、行儀が悪くなったりすることは、必ずあることだ。これは慎まなければならない。散々このようにして、滅亡した家は昔から多い。この精神は何事にも言えることだ。勝って甲の緒を締めよ、ということを忘れてはいけない。」という意味になります。昔の武将は勝利すると安心してすぐ兜を外してしまう習慣があったため、勝った時こそ頭を守るための防具を固定するための紐を緩めるなと戒めています。ここから、物事がうまくいっている時こそ、気を緩めるなという戒めとして「勝って兜の緒を締めよ」と言われるようになったようです。そして、明治時代に日本海軍の連合艦隊司令長官である東郷平八郎が、日清・日露戦争でこのことわざをよく使ったことで広まったと言われています。

「勝って兜の緒を締めよ」の例文

例文1:一勝した時こそ勝って兜の緒を締めよ、油断するな。
例文2:勝って兜の緒を締めよ、優勝した時こそ足元をすくわれるぞ。
例文3:勝って兜の緒を締めよで明日も気を引き締めてがんばろう。
例文4:勝って兜の緒を締めよというように、うまくいったからと言って調子に乗ってはいけない。
例文5:将軍はで一瞬の油断が命取りだったんだろう。勝って兜の緒を締めよだよね。

「勝って兜の緒を締めよ」をうまく用いる

「勝って兜の緒を締めよ」は日常であまり使うことのないことわざです。論文・小論文でも正しく理解してきちんと使えるようにしておきましょう。

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