願う意味の「せいがん」は「請願」「誓願」がありますが、それぞれの意味は異なります。論文・小論文では両者の意味をよく理解した上で区別して使えるようにしましょう。ここでは「請願」「誓願」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。
「請願」と「誓願」の違い
請願(せいがん)
意味:請い願うこと。
「請願」は法律用語でよく使われる言葉で、国や地方公共団体に意見・要望・苦情の要請を文書で願い出ることを言います。
誓願(せいがん)
意味:願かけ。
「誓願」は神仏に誓いを立てて祈願することを意味します。
議会にせいがん書を提出するは請願が正しい
「議会にせいがん書を提出する」は請い願うことなので、ここでは「請願」が正解です。
「請願」の例文
例文1:ずっと休んでいたが、調子がよくなったので会社に復職を請願した。
「復職をせいがんした」は復職を請い願うことなので、ここでは「請願」を使います。
例文2:100人余りの署名とともに請願書を届けた。
「せいがん書」は請い願う陳述書のことなので、ここでは「請願」を使います。
「誓願」の例文
例文1:すべての煩悩を断つという誓願を行った。
「せいがんを行った」は願掛けを行ったということなので、ここでは「誓願」を使います。
例文2:必要な誓願を済ませてからでないと修道生活を送ることはできない。
「せいがんを済ませてから」は神仏に誓いを立てて祈願を済ませてからということなので、ここでは「誓願」を使います。
論文・小論文で「請願」と「誓願」を使い分ける視点
願う意味の「せいがん」は「請願」と「誓願」がありますが、それぞれの意味は異なります。「請願」は願掛け、「誓願」は請い願うこととして、論文・小論文では理解しておきましょう。