外側を表す「がいかく」は「外郭」「外殻」がありますが、それぞれの使い方は大きく違います。論文・小論文ではそれぞれの意味に気を付けて使っていきましょう。ここでは、「外郭」「外殻」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。
「外郭」と「外殻」の違い
外郭(がいかく)
意味:外側のもの。
「外郭」は城や建物の周囲にめぐらす囲いを言いますが、転じて広くそとまわり、外側のものを表します。「外郭」の対義語は「内郭」になります。
外殻(がいかく)
意味:外側を包んでいる殻。
「外殻」は狭く、殻にしか使えません。
がいかく団体は外郭が正しい
「がいかく団体」は官公庁の組織の外にありながら、その官公庁から出資・補助金を受けるなどして補完的な業務をおこなう団体のことをいうため、ここでは「外郭」が正解です。
「外郭」の例文
例文1:市の役割を代替するための法人として外郭団体は存在している。
「がいかく団体」は官公庁の組織の外にありながら、その官公庁から出資・補助金を受けるなどして補完的な業務をおこなう団体のことをいうため、ここでは「外郭」を使います。
例文2:城の外郭には鉄砲隊が配備された。
「城のがいかく」は城や建物の周囲にめぐらす囲いを表すので、ここでは「外郭」を使います。
「外殻」の例文
例文1:卵の外殻に亀裂が入ったらもうひなが中から出てくる合図です。
「卵の外殻」は卵の外側を包んでいる殻のことをいうため、ここでは「外殻」を使います。
例文2:甲殻類は硬い外殻に覆われている生き物です。
「硬いがいかく」は固く外側を包んでいる殻をいうため、ここでは「外殻」を使います。
論文・小論文で「外郭」と「外殻」を使い分ける視点
外側を意味する「がいかく」は「外郭」「外殻」がありますが、それぞれの意味は異なります。論文・小論文では「外郭」は外側のもの全般、「外殻」は外側の殻にのみ使えるというように覚えておきましょう。