くせ者 「癖」「曲」正しい漢字はどっち?

偏ったことを表す「くせ」は「癖」「曲」がありますが、それぞれで少しずつ意味が変わります。論文・小論文ではそれぞれの違いを理解した上で使い分けるようにしましょう。ここでは「癖」「曲」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。

「癖」と「曲」の違い

癖(くせ)
意味:偏った傾向・性質。
「癖」は偏ってそればかり何度も繰り返してしまう習慣や傾向のことで、よくしぐさなどに表れます。また、その他にも曲がったり折れたりした跡が物に残ったものを指したり、副詞的に「それなのに」という意味に使われたりすることもあります。
曲(くせ)
意味:曲がった、正しくない。
「曲」は「曲者」など油断できない者・怪しい者・ひとくせあるしたたかな者、「曲事」など道理に合わないことや苦々しいことなど、他の名詞の上について複合語を作り、「偏った」や「正しくない」などの意味を表します。

くせ者は「曲者」「癖者」のどちらでも正しい

くせ者は偏った傾向・性質という意味だと「癖者」、怪しい者・油断のならない者という意味だと「曲者」が正解です。

「癖」の例文

例文1:彼は癖毛がひどいので、朝起きてからヘアーセットに1時間はかける。

「くせ毛」は直毛とは違って髪の毛にハネやうねりが生じている性質の髪のことをいうので、ここでは「癖」を使います。

例文2:彼は金持ちの癖に全然高価な物を持っていない。

「金持ちのくせに」はそれなのにという意味なので、ここでは「癖」を使います。

「曲」の例文

例文1:彼はとても誠実そうに見えるだけで実はかなりの曲者です。

「くせ者」は油断できない者という意味なので、ここでは「曲」を使います。

例文2:曲事ばかりしていると、そのうち足をすくわれることになるよ。

「くせ事」は道理に合わないことをいうので、ここでは「曲事」を使います。

論文・小論文で「癖」と「曲」を使い分ける視点

偏ったことを表す「くせ」は「癖」「曲」がありますが、それぞれの使い方は少し異なります。両方「偏った」という意味を表しますが、「曲」はその中でも不正など曲がったという意味合いに使われます。論文・小論文では「癖」と「曲」をきちんと区別して使えるようにしましょう。

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