「こうい」は「好意」「厚意」「行為」がありますが、それぞれの意味は異なります。論文・小論文では同音異義語に気をつけて正しく使えるようにしましょう。ここでは「好意」「厚意」「行為」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。
「好意」「厚意」「行為」の違い
好意(こうい)
意味:親切・親愛感。
「好意」は相手に親しみを感じて好ましく思い、その人のためになりたいという思う気持ちを指します。ベースに恋心や親しみなどの親愛の気持ちがあります。
厚意(こうい)
意味:思いやり。
「厚意」は他人が自分にする行為に表れる思いやりの気持ちを言います。ベースに親愛感はなく、他者の好意を通じて見えるはからいや便宜などの親切心を言います。また、「厚意」は相手の行動に関して使いますが、自分や身内の行動に関して使うと他者に親切心を主張することになるため使えません。
行為(こうい)
意味:おこない。ふるまい。
「行為」はしようという意志をもってする行いのことを言います。
せっかくのごこういを無駄にはできないは厚意が正しい
「せっかくのごこういを無駄にはできない」はせっかくの思いやりは無駄にできないということなので、ここでは「厚意」が正解です。
「好意」の例文
例文1:ご好意に甘えて食事をご馳走になる。
「こういに甘える」は親切心に甘えるということなので、ここでは「好意」を使います。
例文2:私は彼に好意を持っていたので何かと口実を作っては彼の姿を見に行った。
「こういを持っている」は親愛感を持っているということなので、ここでは「好意」を使います。
「厚意」の例文
例文1:サポーターのご厚意に報いたいと思って、この試合は全力でがんばった。
「こういに報いる」は思いやりに報いるということなので、ここでは「厚意」を使います。
例文2:いつもと変わらぬお客様のご厚意に感謝しております。
「ごこういに感謝する」は思いやりに感謝するということなので、ここでは「厚意」を使います。
「行為」の例文
例文1:看護師の献身的な行為に多くの人が救われた。
「献身的なこうい」は献身的なふるまいのことなので、ここでは「行為」を使います。
例文2:動物の遺棄は法的にも違反行為です。
「違反こうい」は違反的ふるまいのことなので、ここでは「行為」を使います。
論文・小論文で「好意」「厚意」「行為」を使い分ける視点
「好意」「厚意」「行為」は同音異義語です。「好意」「厚意」は似たような意味を持ちますが、親愛の気持ちがあるかどうかで変わってきます。「好意」は親愛の気持ちがあり、「厚意」はありません。「行為」は全く違う意味で、おこないやふるまいを意味します。論文・小論文ではそれぞれの違いを区別して理解しておくようにしましょう。