「いっぽう」は「一方」「一報」がありますが、意味は大きく異なります。論文・小論文ではきちんと文中で使えるようにしましょう。ここでは「一方」「一報」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。
「一方」と「一報」の違い
一方(いっぽう)
意味:ひとつの方向、ひとつの方面。
「一方」はその他に二つあるうちの片方、副詞的に使って「〜するばかり、〜だけ」または接続助詞的に用いて「〜する反面、〜と同時に」、接続詞として「話かわって」という意味にも使われます。
一報(いっぽう)
意味:知らせること。
「一報」はその他に簡単な知らせや最初の知らせを表します。
そのいっぽうで反対する人もいるは一方が正しい
「そのいっぽうで反対する人もいる」は〜する反面で反対する人もいるということなので、ここでは「一方」を使います。
「一方」の例文
例文1:一方は海に面しているが、一方は山に面している。
「いっぽうは〜、いっぽうは〜」は二つあるうちの片方は、~片方は~という意味なので、ここでは「一方」を使います。
例文2:彼は食べる一方でまったく働かない。
「いっぽうでまったく働かない」は〜する反面まったく働かないということなので、ここでは「一方」を使います。
「一報」の例文
例文1:現場から届いた一報では、現在けが人はいないとのことでした。
「現場から届いたいっぽう」は現場から届いた最初の知らせを意味するので、ここでは「一報」を使います。
例文2:合格でも不合格でも一報ください。
「いっぽうください」は簡単な知らせをくださいということなので、ここでは「一報」を使います。
論文・小論文で「一方」と「一報」を使い分ける視点
論文・小論文で「一方」「一報」を使い分けるには、「一報」は知らせるという意味で、「一方」は一つの方向、または、接続詞・副詞的などそのほかの広い意味に使われると理解しておきましょう。きちんと理解して論文・小論文の文中で正しく使えるようにしましょう。