こうとうで述べる 「口頭」「口答」正しい漢字はどっち?

口で述べるという意味の「こうとう」は「口頭」「口答」がありますが、両者は似ているものの意味の違う言葉です。論文・小論文ではきちんと文中で使えるようにしましょう。ここでは、「口頭」「口答」それぞれの意味の違いや例文について解説していきます。

「口頭」と「口答」の違い

口頭(こうとう)
意味:口先。音声。
「口頭」は、口や音声を意味します。「口頭」は質問に答えるという意味合いがないため、答える意味を持たせたいときには、「口頭試問」、口で答えるという意味合いを持たせたいときは、「口頭で述べる」、「口頭で答える」などと使わなくてはなりません。
口答(こうとう)
意味:口で答えること。
「口答」は質問に対してその場で面と向かって口で答えることを意味します。主に質問・疑問点に対して話し言葉で答えることを意味するので、試験や面接などで多く使われます。「口答」は口で答えるという意味になるので、「口答で答える」というと重複表現となります。対義語は文字で書いて質問や問題に答える「筆答」になります。

こうとうで述べるは口頭が正しい

「こうとうで述べる」は「述べる」という動詞がついているため、ここでは「口頭」が正解です。

「口頭」の例文

例文1:大学院の面接は口頭試問なので、しっかりと答えられるように練習をした。

「口頭試問」は「試問」という動詞がついているため、ここでは「口頭」を使います。

例文2:裁判の口頭弁論で通訳を頼まれた。

「口頭弁論」は「弁論」という動詞がついているため、ここでは「口頭」を使います。

「口答」の例文

例文1:面接官の質問にその場で口答しなければならなかったので緊張した。

「こうとうする」は改めて動詞を付け加える必要がないため、ここでは「口答」を使います。

例文2:今回のテストは口問口答だったので、臨機応変に回答できるか心配だ。

「口問こうとう」は改めて動詞を付け加える必要がないため、ここでは「口答」を使います。

論文・小論文で「口頭」と「口答」を使い分ける視点

口で述べるという意味の「こうとう」は「口頭」「口答」の2つがありますが、それぞれの違いは動詞がつけられるかどうかによります。「口頭」は動詞をつけなければならず、「口答」には動詞がつけられません。そのため、論文・小論文で書くときには、誤った表現をしないように気を付けましょう。