紙媒体に使われる「しめん」という言葉ですが、「紙面」「誌面」の2種類があります。よく似ているものの意味に違いがあるので、論文・小論文ではその違いを区別して書けるように気を付けましょう。ここでは、「紙面」「誌面」のそれぞれの意味の違いや例文について解説していきます。
「紙面」と「誌面」の違い
紙面(しめん)
意味:新聞紙や書籍の記事面のこと。
「紙面」は新聞紙やタブロイド紙など、新聞や書籍形式の印刷物の記事を印刷する面のことを言います。また、印刷物かどうかとは関係なく単なる紙の表面を指すこともあります。「紙面」は新聞、書籍、単なる紙など比較的広い意味で使えます。
誌面(しめん)
意味:雑誌の記事面。
「誌面」は雑誌の記事を印刷する面のことを言います。「誌面」は雑誌にしか使えません。ただ、地方自治体の広報誌のようなものは、タブロイド判の新聞紙型のものは「広報紙」、A4判の雑誌型のものは「広報誌」と区別しているため、新聞紙型広報の記事面を「紙面」、雑誌型広報の記事面を「誌面」と使い分けています。現在の広報誌はA4判の雑誌型が主流ですが、かつてはタブロイド判の新聞紙型のものが主流だったため、A4判の雑誌型が主流になった今も「広報紙」と呼ぶことが多くあります。そのため、現状は混在して使われていて、慣習的に「広報誌」と呼ばれている時は「誌面」、「広報紙」と呼ばれている時は「紙面」といいます。
新聞にしめん広告をのせるは載せるが正しい
「新聞にしめん広告をのせる」は新聞の記事面に広告をのせることなので、ここでは「紙面」が正解です。
「紙面」の例文
例文1:新聞の紙面に父の会社の広告が大きく載せられていた。
「新聞のしめん」は新聞の記事面のことなので、ここでは「紙面」を使います。
例文2:データ分析の詳細は後日紙面で報告します。
「しめんで報告」は単なる紙で報告するという意味なので、ここでは「紙面」を使います。
「誌面」の例文
例文1:過去には誰もが忖度して及び腰だった話題が、今は雑誌の誌面を賑わせている。
「雑誌のしめん」は雑誌の記事面のことなので、ここでは「誌面」を使います。
例文2:今はタピオカドリンクがブームなので多くの女性誌は誌面を割いて特集をする。
「女性誌のしめん」は女性雑誌の記事面のことなので、ここでは「誌面」を使います。
論文・小論文で「紙面」と「誌面」を使い分ける視点
「しめん」は雑誌は「誌面」、雑誌以外は「紙面」を使います。論文・小論文でもどちらについて書くのかということに注目して書いていくようにしましょう。